今から丁度20年前、東欧の民主化に貢献したとして、ソ連大統領のゴルバチョフ氏にノーベル平和賞が贈られた。
1901年にノーベル平和賞が設けられて以来、共産主義国家の元首としてははじめての受賞となった。
ゴルバチョフ氏によるノーベル平和賞の受賞は、世界中でさまざまな反響を呼び起こした。
西側国での歓迎振りと比べると、ソ連邦ではほぼ無関心に近いものだったと言えるだろう。しかし20年の歳月を経て、受賞の重要性が認識され始めてきたと、外交防衛政策会議の共同議長は述べている。
「ゴルバチョフ氏に賞が受賞されたことは、ノーベル平和賞に関して委員会が下した数少ない正しい決定の一つだろう。
そのことは現在の状況と比べてみると歴然だ。例えば就任したばかりで、実際には何の実績もない大統領や、世界でもあまり知られていない中国の人権活動家などに、ばら撒かれている状況があるからだ。
もはや政治的な動機によって受賞者が選ばれているのは明らかだろう。
そのような状況を考えてみれば、20年前ゴルバチョフ氏に平和賞が贈られたことは、単に正しい決定というに留まらず、候補者の中で唯一、受賞に値する人物であったということが出来る。
当時ゴルバチョフ氏は不可能な事をやってのけたのだ。ステレオタイプを乗り越えて、冷戦と言う論理を覆したのだ。ゴルバチョフ氏の偉大な点は冷戦の終結が、どちらかの陣営の勝利や敗北と言ったことではなく、ソビエト連邦が自分から冷戦に終止符を打ったということにあるのだ。
ですから現在アメリカの学者や、一部のロシアの作家のように冷戦がアメリカの勝利によって、そしてソビエト連邦の敗北によって終結したと考える事は間違いであると考える。
当時はバンクーバーからウラジオストクまでといった、共通のヨーロッパ世界を実現する希望が実際に存在していたのであり、ヨーロッパ自らが分裂を乗り越えるチャンスだった。
現在その統一が実現されずに、単にその分裂ラインが東に移動しロシア国境に迫っている状況があることは、また全く違った問題だろう」
共同議長は、このように話している。
ゴルバチョフ氏自身、西側諸国はソビエト連邦との約束を破ったのだと述べている。
「一つの例を挙げよう。東西ドイツの統一を検討していたなかで、アメリカのベーカ国務長官を含めて、西側諸国はNATOの勢力範囲を東側に10センチたりとも拡大させることは無いと約束した。
約束を最後まで守ったのはドイツだけだろう。他の国々は、もはや状況は変化した、ソビエト連邦は、もはや存在しないのだと言ってる。
ソビエト連邦との間の約束なのだから、今や違うアプローチが必要だと主張しているのだ」
元ソ連大統領・ゴルバチョフ氏はこのように話している。
どちらにせよゴルバチョフ氏が、冷戦構造を脱却したという意味で、ノーベル平和賞に値する政治家であったことは、今までもこれからも変わることはないだろう。
冷戦が熱い戦争になるのを防いだのもゴルバチョフ氏の功績なのだ。
10月15日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
1901年にノーベル平和賞が設けられて以来、共産主義国家の元首としてははじめての受賞となった。
ゴルバチョフ氏によるノーベル平和賞の受賞は、世界中でさまざまな反響を呼び起こした。
西側国での歓迎振りと比べると、ソ連邦ではほぼ無関心に近いものだったと言えるだろう。しかし20年の歳月を経て、受賞の重要性が認識され始めてきたと、外交防衛政策会議の共同議長は述べている。
「ゴルバチョフ氏に賞が受賞されたことは、ノーベル平和賞に関して委員会が下した数少ない正しい決定の一つだろう。
そのことは現在の状況と比べてみると歴然だ。例えば就任したばかりで、実際には何の実績もない大統領や、世界でもあまり知られていない中国の人権活動家などに、ばら撒かれている状況があるからだ。
もはや政治的な動機によって受賞者が選ばれているのは明らかだろう。
そのような状況を考えてみれば、20年前ゴルバチョフ氏に平和賞が贈られたことは、単に正しい決定というに留まらず、候補者の中で唯一、受賞に値する人物であったということが出来る。
当時ゴルバチョフ氏は不可能な事をやってのけたのだ。ステレオタイプを乗り越えて、冷戦と言う論理を覆したのだ。ゴルバチョフ氏の偉大な点は冷戦の終結が、どちらかの陣営の勝利や敗北と言ったことではなく、ソビエト連邦が自分から冷戦に終止符を打ったということにあるのだ。
ですから現在アメリカの学者や、一部のロシアの作家のように冷戦がアメリカの勝利によって、そしてソビエト連邦の敗北によって終結したと考える事は間違いであると考える。
当時はバンクーバーからウラジオストクまでといった、共通のヨーロッパ世界を実現する希望が実際に存在していたのであり、ヨーロッパ自らが分裂を乗り越えるチャンスだった。
現在その統一が実現されずに、単にその分裂ラインが東に移動しロシア国境に迫っている状況があることは、また全く違った問題だろう」
共同議長は、このように話している。
ゴルバチョフ氏自身、西側諸国はソビエト連邦との約束を破ったのだと述べている。
「一つの例を挙げよう。東西ドイツの統一を検討していたなかで、アメリカのベーカ国務長官を含めて、西側諸国はNATOの勢力範囲を東側に10センチたりとも拡大させることは無いと約束した。
約束を最後まで守ったのはドイツだけだろう。他の国々は、もはや状況は変化した、ソビエト連邦は、もはや存在しないのだと言ってる。
ソビエト連邦との間の約束なのだから、今や違うアプローチが必要だと主張しているのだ」
元ソ連大統領・ゴルバチョフ氏はこのように話している。
どちらにせよゴルバチョフ氏が、冷戦構造を脱却したという意味で、ノーベル平和賞に値する政治家であったことは、今までもこれからも変わることはないだろう。
冷戦が熱い戦争になるのを防いだのもゴルバチョフ氏の功績なのだ。
米中関係―冷戦後の構造と展開 日本国際問題研究所 このアイテムの詳細を見る |
10月15日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル