水面の風景プラン

目標は金閣寺の池での制作。今はその為の実績づくりで頑張っています。by 平間雅己

再展示に向けて

2005-11-10 21:45:03 | 岐阜駅の展覧会
11月8日
盗難が会った作品の作家さんと打合せ。

       

本当は即日再展示という事で話が進んでいましたが、展示したい気持ちと作品をまた盗まれるのではないかという不安、くわえて、それまで展示されていた場所のイメージが強烈で展示場所の変更への疑問とわだかまりがあったみたいで、要するに気持ちの整理がついていない感じでした。

また客観的に考えると、犯人が捕まっていない以上、再犯性が高く、美術展事務局としては展示場所の移動が望ましくありましたが、会場管理者の意向では展示場所は変えないで欲しいとの要望もあり、作家本人は基本的には同じ場所での展示を望みつつも作品への被害を恐怖していて、三つ巴で収拾がつかない感じになっていました。

美術展の案内には「作品の移動を求める事がある」とうたってあるので移動,若しくは撤去という結論を出してしまう事も出来ますが、今回の件では,純粋に作家が泣きながら作品について悩んでいて、その答えが出るまで少し待ってあげたい感じもしてしまいました。

       
            

それでいろいろな立場のいろいろな考えがあると思いますが、とりあえず、その日は他の展示場所で作品がどのような表情を見せるか仮置をしてもらいました。

目的としては、

展示場所の移動に伴う交渉用の資料作り。
他の場所での展示の試み。
そして何よりも、作家自身が何かしらの答えが見つかる切っ掛けになってくれる事を期待した試みでした。

多分この事が、彼女にとって今回の岐阜駅での展覧会のテーマでもある「motivation」となってくれるしょう。

それと余談になりますが、展示している様子を見ていて思ったのですが、作品そのものの良さもありましたが、彼女自身が持つ空間演出のたくみさが今回の事件を引き起こしたのではないかと感じました。
「簡単に仮置して撮影しよう。。」と勧めただけなのですが一回の展示に20分以上かけてましたからね。そのこだわり方は18歳の女の子とは思えない普通でないものを感じました。