昨日(4日)夜、島田市の大井神社宮美殿で大村屋酒造場主催の『島田の食材と地酒を楽しむ会~おんな泣かせ発売30周年記念』が開かれ、『吟醸王国しずおか』の撮影にうかがいました。
島田の食材とのコラボ企画、7年前からスタートし、春秋1回ずつの開催で、今回は15回目を迎えます。今まで着席パーティースタイルで90席程度の定員で、最初の頃は先着順に受け付けていたので受け付け開始数十分で満席になってしまい、途中から抽選制にしたほど。私も一度も参加できずじまい。それほど地元では人気の食文化イベントになっていたのでした。
今回は、『おんな泣かせ』発売30周年記念のお祝いもかねるということで、立食形式にし、定員も180人に。私も撮影を口実に会場にもぐりこませてもら いました。
料理は島田の食材にこだわっただけあって、『おんな泣かせ』や『若竹』を味わうのに最適なメニューがそろいました。
島田市伊久美の山間で育つやまめの南蛮漬け、島田産きゅうりと玄米味噌の磯の雪湯葉シー ト包み、島田の絹ごし豆腐&地鶏卵&椎茸&ぎんなんを使った南禅寺蒸しの3品は、宮美殿の料理長が、『おんな泣かせ』との食べ合わせをとくに吟味して作ったメニュー。
ほかに、静岡鶏の冷しゃぶ地場野菜添え、湯日産むかごの炒め物、豚肉の島田地味噌焼き、島田の木綿豆腐の揚げだし、桜エビ&とろろのピッツァわさびマヨネーズ添え、地場産きのこのてんぷら、牛すじ&大根&地鶏卵の大井川醤油煮、若竹ゼリーマンゴなどなど。
私は残念ながらレンズ越しに指をくわえて観るだけでしたが、30分もしないうちに料理がほとんどなくなっていたところを見ると、酒との相性はバッチ リだったようですね。
ご存知の方も多いと思いますが、『若竹』も『おんな泣かせ』も昭和50年代に、地元市民の力で生まれた銘酒です。
島田市内にあった造り酒屋が相次いで廃業し、身内にも不幸が続き、弱気になっていた蔵元を、「江戸時代に島田宿で飲まれていた“鬼ころし”を復活させよう」と背を押したのが島田の名士「若竹会」の面々。昭和50年に『若竹鬼ころし』が、55年に『おんな泣かせ』が誕生しました。『おんな泣かせ』は、辛口の鬼ころしとは対照的な、ソフトでまろやかな酒質を目指して造ったもので、島田の芸妓さんに命名してもらったという逸話も。 浮世絵美人のラベルを見れば想像できますよね!
『おんな泣かせ』は早春に仕込み、ひと夏熟成させ、10月末~11月初に限定出荷します。人気があっても出荷時期を早めたり生産本数をむやみに増やすことをしない品質本位の売り方を、30年前から徹底させたのです。この酒が生まれた背景を振り返り、「地元の皆さんが誇りに思ってくれるような酒にしていくためにも、品格は絶対に守りたい」と信念を貫く蔵元の潔さが伝わってきます。
今年は、昨日11月4日をもって発売開始となった『おんな泣かせ』。「おかげさまで30周年」「おんな泣かせ2009」の限定ラベルを見かけたら、ぜひ手にとっていただいて、地元の酒蔵があることの価値や有難味をじっくり味わってくださいね。