杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

JALT Shizuoka Sake Tasting Night その1

2009-11-22 10:23:35 | しずおか地酒研究会

 静岡市のグランシップで、21日から23日まで、『JALT学会 第35回国際年次大会教材展示会』という国際会議&展示会が開かれています。

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 JALTというのはThe Japan Association for Language Teaching(全国語学教育学会)といって、日本全国の高校・大学等で外国語教育に携わる教育者約3000人で構成された組織で、国際年次大会には海外から招へいされた語学教育の権威や教育者も訪れます。今回は参加者約1400人で、半数が外国人。海外参加者も約100人。これだけの外国人が静岡に集結する機会は貴重だ、ということで、JALT事務局ではご当地の特産品でおもてなしするというプログラムを考え、白羽の矢が立ったのが静岡の酒。…嬉しいですね、お茶やみかんやおでんじゃなくて、日本酒が、海外ゲストを迎える静岡代表に選ばれたなんて!!

 

 

 仕掛け人は、通訳&コーディネーターとして、日本酒を海外でプロモートする活動もされている中村悦子さん(浜松市出身)。昨年夏、外国特派員協会(有楽町)で、松崎晴雄さん(日本酒輸出協会理事長)のご尽力で開催した『吟醸王国しずおかパイロット版』の試写会に参加され、今年JALTの国際年次大会が静岡で開かれるから、ぜひあの映像と静岡の酒を紹介したいとオファーをくださったのでした。

 

 

 映像の上映はともかく、1000人規模のコンベンションで静岡の酒の試飲、しかもできたら販売もお願いしたいというリクエスト。酒造組合では難しいだろうし、仕込みが始まって忙しいこの時期、出張試飲&販売できる蔵元というのも限られるだろうし、やっぱり映像に出てくる蔵元が来ないとカッコつかないだろうなぁと思案し、『吟醸王国しずおか映像製作委員会』会員の酒販店に協力してもらうことに。

 

 前回のしずおか地酒サロン「地酒は地域の元気のミナモト!」に参加してくれた会員酒販店と中村さんを引き合わせ、直接交渉をしてもらい、初日(11月21日)のSAKE BAR(グラス売り)は、ときわストアさん(藤枝市岡部)に、2日目(22日)のテイスティングナイト(試飲&販売)は篠田酒店さん(静岡市清水)に出張販売をお願いすることになりました。

 

 

 ときわストアの後藤さんは昨年、静岡伊勢丹しずおかフーズフェスティバルの吟醸Barで催事場のフリー客をもてなした実績があり、篠田さんは毎年グランシップで(静岡県内で単独の酒販店主催イベントとしては最大規模の)日本酒の会を開催中ですし、2人とも地酒に対する取り組みが商売の範疇を超えていると思えるほど真摯で、私のような冷やかし者がやっている地酒サロンにも、ほとんど欠かさず来てくれる勉強熱心な人です。

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 昨日(21日)は後藤さんが、伊勢丹の時と同じように、地元岡部の商店主や常連客をボランティア助っ人に、10種類の静岡地酒を外国人にふるまいました。

 

 

 

 

 日本人の酒通ばかりの会ならば、真っ先になくなるであろう磯自慢や開運よりも、この日の人気ナンバーワンは杉錦(生酛特別純米生原酒=1週間前に搾ったばかりの新酒)。香り豊かな正雪(特別純米雄町)、ナッツ系の香りもするImgp1722 熟成タイプの小夜衣(特別純米顔ラベル)、10種の中では(私が即興試飲した中で)一番ドライタイプだった富士錦純米酒が次々に空瓶になっていきました。やっぱり特徴や個性のある酒のほうが印象に残るみたいだし、こちらも説明がしやすかったかな。

 

 静岡のスタンダードともいえるバランスのいい食中酒タイプの酒が、こういう1杯2杯のテイスティングで印象に残りにくいのは仕方ないのかも。鑑評会の審査に似ていますね(苦笑)。

 

 

 それでも17時から20時までの約3時間、コーナーにはひっきりなしにお客さんが来てくれて、しかもかなりSAKEを飲みなれている人が多かったのは幸いでした。「これが今夜の研究テーマだ」と10種類全部飲み干すツワモノも。 

 

Imgp1729  多くの方が「どれも素晴らしい」と喜んで、2杯目3杯目は銘柄指定でオーダーされるなど、大いに手応えはありました。「静岡の学会はSAKEが美味しかった!」と印象に残ってくれると嬉しいですね。

 

 

 

 今日(22日)は吟醸王国しずおかパイロット版の試写と、蔵元数社も参加しての、にぎやかなテイスティングナイトになりそうです。そのご報告はまた。