杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

スローライフの実践者

2009-12-15 17:41:36 | アート・文化

 先週末は日頃お世話になっている女性2人とともに、伊豆の国市三福の『無畏庵』でオンナの忘年会を開きました。一人は超多忙な女性管理Dsc_0005職で、一人はバリバリの広告営業ウーマン。3人のスケジュールを合わせるのは至難の業で、1年がかりで実現した忘年会、ということで、多少遠くても私の個人グルメ帳の中でもイチオシの店にお連れしようと、4月のお花見会でお世話になった無畏庵さんへ。

 

 ご主人安陪均さんと絹子さん夫妻は、過去ブログでも紹介したとおり、陶芸家兼料理人の旦那さんと、静岡県初の女性酒匠の奥さんという素敵なカップル。安陪さんの、大阪吉兆仕込みの妥協許さぬ包丁技で、自作の器や東西の名古陶器に盛られた味、そして絹子さんが1年熟成させたという白隠正宗純米大吟醸斗瓶取りを存分に満喫させていただきました。

 

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 築300年、かやぶき屋根の無畏庵は、福厳院の母屋にあたり、安陪家が収集した古美術や古文書の宝庫でもあります。「住まいと一緒だから予約が入ると前日大慌てで掃除する」「ちゃぶ台は廃品置き場から拾ってきたの~」と笑う安陪夫妻ですが、築300年の家で暮らすって、口で言うほど簡単じゃないと思うんです。

 

 

 

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 古いものを修繕したり磨き直したりして大事に使う。料理も、食材の味や色やカタチを活かし、皮やヘタも無駄にしない。いい器も、ガラスケースに陳列しておくんじゃなくてちゃんと使う。美と日常がひとつになっているんですね。無 畏庵に行くと、日本的な暮らしの価値と、在るものを活かして客をもてなすホスピタリティの原点を見直すことができる気がします。