石の町・蔵の町で有名な、真壁町(茨城県桜川市)のひな祭りに行ってみました。
市街地には300余棟を数える見世蔵・土蔵・門などが歴史ある町割りと共に生きづいていています。
JR岩瀬駅より関鉄のシャトルバスに乗車するとバスガイドさんもいて観光のポイントなど真壁に着くまでの約30分説明してくれました。いい旅になりそうな予感です。
「源氏物語」の須磨の巻に「3月3日、陰陽師を召し、お祓いをした人形を船に乗せて流した」とあります。
流される人形は木や紙で作られ、災いや厄病、けがれを乗り移らさせた一種の厄払いを負わされていました。
これが流しびなの原点ですが一方子供が生まれると無事に育つようにと人形が贈られ3歳ぐらいまで枕元に飾られました。
室町時代から華麗になり現在に続いているとも言われています。
最近は本当に豪華で高価なものも多いですね。
しかし真壁町の何百年も続く家屋の黒光りする壁に囲まれて明かりに照らされた飾りを見るとひな人形の長い歴史を感じさせらえます。
吊るし雛
村井醸造
ご隠居の好きな試飲コーナー。純米酒「真壁」を購入しました。
武帝の時代、桃花の流れる水を飲み300歳の長命になったという伝えがあります。のちに桃の花を浮かべた桃花酒を飲み邪気を払ったそうです。
日本にもこの風習が伝わり形を変えて白酒になったそうです。
村井醸造のお雛さま
さて昼になりお腹もすきました。真壁は「すいとん」料理でも有名です。
バスの中で案内のあった「二葉」に入ってみました。
すいとんは団子状のものかと思いましたがここは板状でなかなかの味でした。
江戸時代、享保年間の作
花屋さんのひな人形
桃の節句、なぜ桜や梅ではないのでしょうか?
「日本書紀」や「古事記」にイサナギノミコトがモモの実で鬼や雷神を退散させた話があります。
中国でもモモは「鬼を憎むところ・・・よく百怪を制す」ここからモモの木で作った人形(桃人)を門にさし、桃の板を(桃符)を入り口にはり厄除けにしたといわれています。
すなわち桃にはかなりの威力があったのです。
生まれてきた子供を病気や災難から守って、長命であってほしいという親心がひな祭りの華やかさの中に隠されているのです。
街をを歩いているとあっちこっちに蔵があります。
これは新築の蔵でしょうか?
現代は桃はやさしく、ひな祭りの舞台は煌びやかです。
しかし昔の人の畏怖と願いが交差していたこともちょっと考えてしまいました。
朝から雨模様で残念ながら筑波山は見えませんでしたが、休日に知らない街を歩くのは実にわくわくするものです。ぜひ皆さんもどうぞ。
帰りに笠間稲荷によってみました。
本殿
手水舎も立派です。