2014ワールドカップサッカー、日本は一次リーグ敗退。残念!ご隠居みたいな、にわかサッカーファンはもう終わりですが本当のファンは最後まで楽しんでくださいね。
千葉県流山市ご存知でしょうか。江戸川の豊かな水の流れと深い緑の森に囲まれた東京のベッドタウンです。
今回も太郎さんと花子さんに案内してもらいましょう。
「久しぶり太郎さん。柴又以来ね 」
「とりあえずビール、いや花子さんという感じで気楽に誘いました」
「はい。はい。ビールでもホッピーでもいいわ。出かけましょう」
「本土寺を案内しましょう。日蓮聖人から長谷山本土寺の寺号を授かり関東地方きってのアジサイの名所です」
「説明読むと流山市じゃなくて松戸市になっているわ」
「福岡の方から見れば流山も野田も同じようなものですよ」
「アバウトね。よく九州の話が出るけれどあっちに愛人でもいるんじゃないの」
「そんな金のかかる物品は持っていないですよ」
「俵万智さんの短歌に
思い切り愛されたくて駆けていく6月 サンダルあじさいの花
というのがあります。花子さんもそのパンプス、アジサイにぶん投げて恋でもしたらどうでしょう」
「ちょっと短歌の解釈が違うんじゃないの」
「啄木の短歌、
昨日より色の変われる紫陽花の 瓶をへだてて二人かたらず
がいいわ。静かな恋がしたい」
「紫陽花は色が変わっていくのがいいですね。どの色の時、天麩羅にしたら美味しいでしょう?」
「紫陽花は鑑賞するものよ」
「これはアジサイの改造種ですね」
「私がもの知らないからと言ってこの花がショウブかアヤメかぐらいはわかるわ。ぼんやりしているとすぐにでたらめ言うんだから」
「ご立派です」
「なにが立派よ。バカ!」
「松戸に来たついでに戸定邸(とじょうてい)に行ってみましょう」
「はい。附いて行きますどこまでも。とか心にもないこといったりして」
「なにか言った?」
「いやひとり言」
「今頃はどこに行っても緑が綺麗ですね」
「ここはどこのお屋敷だったの?」
「水戸藩最後の藩主、水戸昭武が建設したものです」
「偉い人は景色も素晴らしくいい所にこだわります」
「ヨーロッパに行くとお城なんか一番見晴らしのいい所にあるわね」
「今度海外旅行にでも行って見識を深めてきます」
「くだらないお土産はいらないから、あとで質屋に持っていったら高く買ってくれるような物にしてね」
「ふざけるな ばばあ」
「ばばあ?ばばあなんて何処にいるの」
「失礼しました」
「おみやげは 無事故でいいのよ 太郎さん とか可愛いこと言えないんですかね 謙虚になりましょう」
「大正時代の交通標語みたい。だいたいいつも何の役にも立たないようなお土産買ってくるからよ」
「やっと流山駅に着きました」
「常磐線は通っていないのね、これ私鉄でしょう?」
「昔常磐線を建設しようとしたら流山の人達が反対したので迂回したんだけれど後になって便利なのに気が付いて町民鉄道として馬橋駅・流山駅間を開業したらしい」
「先見の目がなかったのね」
「声が大きい。ここは地元だ」
「近藤勇の陣屋跡です」
「あの新撰組の?」
「ここには2,3日しかいなかったらしいけど流山では近藤勇と小林一茶が有名人です」
「近藤勇とは関係ないけれどピザの美味しい丁字屋さんです」
「ご馳走してよ」
「今日は別の所を予約してあります」
「また、回転ずしなんて嫌よ」
「トラストミー まかせなさい」
「一茶双樹記念館につきました」
「一茶はみりん(調味料で使うけどお酒)開発で大金持ちだった秋元三左衛門(双樹は俳号)をたよって流山を何回も訪れたらしい」
「みりんより早く焼酎の水割りでも飲みたくなったわ」
「俳人というと枯れていて浮世離れした人というイメージが強いけれど一茶は金に関するエピソードも多いし、晩年故郷の信州に帰ってから若い奥さん貰って年の差婚で俗っぽかったらしい」
「太郎さんは初めから俗っぽいけれどお金にも女性にも縁がないわね」
「どうせあたしゃ甲斐性なしですよ」
「すぐにひがむんだから。このいじけ虫」
「江戸川の土手の上にでました」
「この前行った柴又はこの下流よね」
「そうです。さみだれを あつめて早し 花子さん」
「私はゴミか!」
「予約していた割烹料理の柳家さんつきました」
「あら高そうなところね。株かなんかで儲けたの」
「株なんか儲かるわけないでしょう。ちょっと紹介料が入ったのです」
「あいかわらず口先三寸のことやっているのね」
「味の方はどう」
「うーーーーん。これは あれで なんですねぇ」
「訳わからない。もうすこしましなコメントないの。彦摩呂さんみたいに」
「わぁ!これはジュシーで新鮮で江戸川の七つ星だぁ」
「その調子」
「ところで酔ったついでに聞きますが花子さんの結婚観はどんなものでしょうか」
「インディジョーンズみたいな人と波乱はあっても最後は穏やかに暮らしたい」
「ハリソンフォードのファンですか」
「いや考古学者みたいな人と結婚したい。だって奥さんが古くなればなるほど大事にしてくれるでしょう」
「アガサクリスティのコピペですね」
END
本土寺ーー 常磐線北小金駅より徒歩約10分。参道にはシーズンとなると沢山の土産物屋さんが出ています。もみじの木がたくさんあるので紅葉の季節も素晴らしい。
戸定邸ーー常磐線松戸駅から徒歩10分。庭園がとにかく整備されています。庭園に降りて散策できる日もあるので調べて行ってください。
流山駅ーー常磐線新松戸駅より流山電鉄で行くのが便利でつくばEXをつかうより趣があります。電車は西武線からの第二の人生をおくっているような車両ですが「流星」「菜の花」などのネームがついています。