2013年夏、大井川に沿って旅をしました。
前日に手回しよく切符など購入しておきホームに立って気がつきました。うっかりいつものくせで、スイカで改札を通過しました。しかたないので一回改札を出て切符をポケットから探し出し再入場。出だしから130円の損でした。
JR金谷駅で下車。大井川鉄道の金谷駅へ歩く。めざすSLは新金谷からの出発です。
それにしても暑い。今回の旅に引っ張り出した大学の友人でバツイチ男も暑そうにハァハァと舌を出している。しかしこの男に倒れられては困ります。 私が襲われた時には「静まれ、静まれ。 ひかえおれぃ! ここにおられる方をどなたと心得る? 千葉市は美浜区ななきたのご隠居ぞ。 おのおの方、頭が高い」 とか、わけの分からないこと言って美浜区のロゴマークの入ったアイパッドをかざすことになっている。
金谷駅のホームには、かつての京阪特急(京阪神急行電鉄)の車両が2両編成で、第二の人生を楽しむかのようにこぢんまりと停車していました。
京都三条と大阪淀屋橋間をJR快速と競争していた頃を懐かしがっているのかもしれません。
新金谷駅の転車台、うしろにED500系電気機関車が見えます。
新金谷駅で下車。駅前は子供をつれた家族連れでごった返していました。遠方から車で来て駐車場に停めてSLに乗り終点千頭駅まで行って戻ってくるか、寸又峡温泉で一泊して帰るかのコースです。
元祖SLを走らせて経営を軌道にのせた会社だけあって機関区に停車している電気機関車、蒸気機関車、各地からの電車が中途半端の数じゃありません。
500円払って機関庫も見学しました。駅前の売店では豪華なSL弁当がかなり売れています。列車に乗ると終点までSLグッズやお土産を販売し、女性の車掌さんがハーモニカを演奏してとにかく賑やかでした。
出番を待つC10
私たちの列車を牽引するのはC56
昭和16年戦争でタイに送られ戦後帰国した苦労人いや苦労列車
蒸気機関車は人間に役立って一時代を築きました。
しかし新金谷・千頭間往復74kmを走るのに石炭約1t、水 ドラム缶35本も使います。
現代においてはあってもなくてもいいような代物です。
でも沢山の観光客が押し寄せて写真を撮り、乗車してくれるので蒸気機関車も意気に感じて、シュ シュ シュと蒸気なんかを吐き出しサービスしてくれます。
お前は可愛い奴だなと尾っぽでもあったら撫でてやりたくなりました。
SLの運転席の説明
大井川鉄道C56youtube(nukuriさん作品)
SLは茶畑の中を小気味よく走ります。沿線は川根茶の産地です。
茶摘みの歌に「摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ、つまにゃ日本の茶にならぬ」という歌詞があります。
明治初期、お茶と生糸の輸出で日本の近代化ができて豊かな日本の基礎ができました。
今その財産を食いつぶした上に、莫大な借金を重ねてなんとかのんびりやっています。
必ずこの報いは来るだろうなとのどかな風景を見ていて思いました。
大井川の鉄橋の上に出ると涼しい風が吹いてきました。
SLの煙も川面を長閑に渡っていきます。
汽車は千頭駅に到着。更にバスに揺られること40分、今宵の宿、寸又峡温泉に到着。
その昔大きな事件がありましたが何事もなかったように山間にひっそりと佇んでいました。
時間があったので世界の徒歩吊橋十選になっている「夢の吊橋」に行ってみました。
かなり谷の底のほうにあり山道を下ってエメラルド色の水を眼下に眺め、
ゆらゆらと揺れながら吊橋を渉る。
そこまではいいのですがまた上に登る坂がものすごくきつい。(一方通行になっています)
大汗かいてへとへとになって旅館で、蝉の声を聞きながら露天風呂に入りました。
湯上りのビールが滅茶苦茶美味しかった。
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