村上原基、滋賀県安曇川の山中20年⇒麓の町の田中に一人暮らし人生

山中で20年一人暮し後71歳から麓の田舎町で暮している、断捨離し自然な生き様と山暮らし体験に基づく人生論及び写真を紹介

132.現代は全てのことが誤魔かしの生き方化している

2008-01-08 09:01:40 | 人生
昨年は嘘・偽が話題になりましたが、他人事ではないような気がしています。日本中・世界中に蔓延しているように思いませんか?
ごくごく身近な話しですが、次は歯磨きについての問答です

問い:貴方は歯を磨いていますか?
答え:はい磨いています

問い:ということは、貴方は虫歯がないのですね
答え:いやあります

問い:おかしいじゃないですか磨いているのに虫歯があるはずがないでしょう
答え:歯ブラシに歯磨きつけて一日3回ちゃんと磨いています
       (参考:CiProハブラシ

問い:ひょっとして磨いているのではなく、磨いている真似をしているんじゃありませんか?
答え:歯を磨いても虫歯はできますよ。ちゃんと磨いていない人なんか虫歯だらけですが、その点私は虫歯が少ないです。

問い:歯を磨くとはどういうことですか?虫歯ができないように磨くのではありませんか?
答え:完全には磨けないから、少しは虫歯ができてもしかたないですよ

問い:正しい歯磨きの方法を教えて下さい
答え:正しい磨き方なんて特に考えたり、決めてはいません、ただ普通に磨いているだけです

問い:それならば、例えばどのくらいの時間かけて磨いていますか
答え:かなりきっちり1分くらい磨いていますよ

問い:1分で磨けるはずがありません、食べたものや磨く時期によりますが、3分~5分は必要なはずですよ
答え:えー、そんな時間かけて磨くなんてそんなの嫌ですよ、できっこありませんよ

問い:ということは、歯磨きをしているのでなく今後は「歯磨きをしているように見せかけている」と言って下さい
答え:そんな言い方できませよ

問い:でも念仏のようにして「自分は嘘つき」だと唱え続けないと、貴方の誤魔化しの癖は永遠に治りませんよ
答え:すごく厳しいですね、でも、まあーそういうことだったら、何か少し、わかったような気がします。ありがとうございました。

言いたいことは、人間は自分のいい加減さを本心から十分認識していないということなんですが、こういうことは多くの人に非常に沢山あることでして、出鱈目歯磨きが典型的な一例に過ぎません。かく言う私は実は「私は人一倍かなりきちんと歯磨きしている」と信じていたのです、昨年末医者で歯に色をつける検査してもらったところ、ひどい磨き残しが一目瞭然明らかになったのです。
私は思いあがりも良いところで、90点くらいに思っていましたが、冷静に考え直すと0点なのです。なぜかというと歯槽膿漏や虫歯になる可能性があるからです。いい加減な磨き方の良し悪しは程度問題ではなく、駄目なものは一律0点でしかないことに気付いたのです。少しでもいい加減であれば、60点でも90点でもなく全部0点でしかないのです。もしいい加減なのに「自分はきちんとやっている」と本人が思い上がりをしているのであれば、0点より低いマイナス点でしょうかね。
【世の中で「歯を磨いています」なんて言える人は、ほとんど0、少ないですよ!】

歯磨きにかぎらず次の例のように、実態は皆かなり出鱈目なんですね。

①正しい食事
②正しい挨拶
③正しい掃除
④正しい片付け
⑤正しい教育
⑥正しい遊び
⑦正しい運動
⑧正しい睡眠
⑨正しい徒歩
⑩正しい付き合い
⑪正しい愛情
⑫正しい管理

私は人様を指導する立場の経営コンサルタントですから、人よりかなりきちんと管理していると自負していますが、昨年末の歯磨き事件で「まだまだ全然いい加減だ」と自分の不完全さを改めて認識したのです。人間は、他の生き物に比べて知恵がある分、かえって、いい加減になりやすい生き物です。注意しないと奈落の底まで落ちていく危険性のある生き物なんです。何によらず正しいルールを定め、日々きちんと守ることが物事の一歩なんですが、まあそういうことができていないですね。経営管理の世界でも正しいルールを作り守るということは基本中の基本なんですよ。仏教の世界なんかも基本は同じですよ。基本ができていなければ、何事も成すことはできません。大方の人間は、まず正しいルールどころかとりあえずのルールさえできていなんです、だからルールを守るなんてことは当然できていないのです。恐ろしいことです。『ルール』ということを何だと思っているんでしょうか?「ルール無視」以前に「ルール無し」なんて本来あってはならないこと、信じられないことなんですよ。
昔は日本中に、今の何百倍も厳格できっちんとした作法や日々の暮らし方が朝夕、徹底していました。食事も掃除も寝起きも挨拶も部屋の片付け衣服の扱いなんかも・・・皆かなり厳格でした。その典型が小笠原流やお茶・お花・武道などでしょうが、そういった日本の伝統文化や習慣の土台の上に、万事しっかりやられていたのです。暮らしが豊かで便利になり、だらだらと欧米化することによって、日本の良き伝統は大きな音をたてて一挙に崩れていったのです。
まあ今の人は、大人も若者も楽な生き方をするようになり、作法や日々の暮らしが出鱈目・誤魔化しになってしまいましたし、今後も確実に更にどんどんひどくなっていく恐れがあります。世の中進歩でなく、むしろズルズルと退化を続けているのです。現代人類は、進化論の時代でなく、退化論の時代になりつつあるのです。
今となっては、難しいのでしょうが、小笠原流なんかのように物事を完璧にきちんとやる習慣をもう一度取り戻さないと、地球環境問題だけでなく、そういう面からも人類は崩壊していくことでしょう。
良い習慣や良い文化は百年・千年かかってやっとこさっと形造られていきますが、いざ壊すとなればアッという間に壊われてしまうのです。(覆水盆に戻らず)
良い状況から悪い状況は行き易い、悪い状況から良い状況へは行き難い不可逆なものなのであります。(奢る平家は久しからず)
「完璧さ、清く・正しく・美しく」なんてのは現代では、ウザイ・ダサイなんてことになってしまって、困ったことに、今の若者は「いい加減・汚く・誤魔化し・醜悪」を格好いいと勘違いするもんなんですね。しかもテレビなどで、そういういい加減な生き方や適当な作法が大目に見られ、むしろもてはやすような雰囲気にさえなっているのです。「汚いのがなぜ悪いんだ、いい加減がなぜ悪いんだ、うるせー」みたいな感じになっているのですね。現代は悪が善を駆逐しているのです。(悪貨が良貨を駆逐する)

いい加減で真面目にやらない多くの人の言い訳は、
①大したことない
②意味ない
③しんどいだけじゃ、面倒臭い
④なったらなったまでじゃ
⑤手間ばかり喰う
⑥忙しいんじゃ
⑦真面目なんて大嫌いじゃ
⑧格好悪い
⑨そんなことしてなんぼのもんじゃ
⑩誰もやっていない
⑪暗くなる
⑫神経疲れる

少しくらいなら兎も角、人間は万事において、自分はきちんとやっていると言うんですが、実はやっている格好をして誤魔化しているだけなんです。
要するに全てがきちんとやっている振りしているだけなんです。子供の頃、ゴッコ遊びというのをやっていましたね。お母さんごっことかお医者さんごっこのように、正にあれなんです。現代は、大人になっても、子供のとき以上に、多くのゴッコ遊びをしている自分に気付かないのです。
食事ごっこ・睡眠ごっこ・教育ごっこ・家庭ごっこ・管理ごっこ・仕事ごっこ・政治ごっこ・人生ごっこ・・・をやっているんです。食事なんかも昔に比較して過食・偏食・油過剰・食べ残し・柔らかい食事・・・・・相当に崩壊しています。ところが人間はきちんと食事をし、睡眠をとり、教育を受け、管理し、仕事し、政治をし、人生を送っていると信じ込んでいるんですが、実態は恐ろしくひどくて真っ当にやれていないのです、やっているように見せかけている・思い込んでいるだけなのです。人間のやることは所詮その程度のものなのです。ほとんどのものは、いい加減ですから、その証拠に頻繁にいろいろな問題や事件や事故が噴出するのです。歯を磨いているはずが、虫歯になり歯槽膿漏になり、歯が抜けて入れ歯になってしまうのです。本人が何と言おうと、その原因は手抜き歯磨き・誤魔化し歯磨きをしているからに他なりません。急いで粗雑なことをやっているが、嘘で固まった生き方が、かえって遠回りになったり大きな損失や事故に結びついていることを自覚しなくてはなりません。

身近な小さいことから大きなこと迄、自分の人生や暮らしのほとんどが、嘘で埋まっているというわけです。
ところがひどく嘘の暮らしをしているのに、自分は一人前に真っ当な生き方をしていると信じ込んでいることに、本質的な問題が潜在化しているのです。嘘の中にどっぷり浸かっていましから、本人は、自分が嘘をついていることさえ冷静かつ客観的に認識できなくなってしまっているのです。
一見健康そうな人が、大腸や肺に深刻な癌を抱えているのですが、自分は健康そのものだと信じきていることなんです。この結果は言わなくてもわかりますが、間もなく、悲惨な結果が待ち受けているのです。ある日突然「癌です、余命3カ月です」と医者から宣告を受けることになるのです。
昨年は食の賞味期限や内容の表示に関する偽装が問題になり、「偽」が昨年を象徴する字に選ばれましたが、あんなのは大して珍しいことではなく、政治をはじめ学校・警察・役所・企業・家庭、世の中は嘘ばかりなんです。別世界のこと、他人ごとのように考えてはならないのです。

”嘘つき・出鱈目・いい加減”は他人事ではありません、自分自身も例外なくひどいということを強く認識しない人間は、生きている時点ですでに地獄に落ちているのです。お粗末な人間のことですから、嘘をつくことはある程度しょうがないとして「自分は全く嘘をついてないという誤った自覚」のほうが、大きな問題なんです。「自分は日々嘘をついている・嘘まみれだ」と自覚していれば嘘をついていることもある程度許されてもいいのです。

「嘘をつかないようにしよう」と思っている人は、更に非常に素晴らしい人なんです。嘘にまみれた暮らしや生き方を努力して治そうとしている人なんかは、かなり立派な人なんです。
タバコの禁煙みたいなもんですから、いきなりやめるのは難しいのですが、大事なことは、嘘まみれ(糞まみれ)の生き方を根本から猛反省し、治す努力をしているかどうかなんです。政治家や役人は、過去とてつもなく大きな嘘をつき国民に多大な迷惑や損害をかけているのに、未だに平気で大嘘をつき続けているのです。長期政権の自民党を選挙で選ぶ国民にも大きな問題があるのです。国民もなぜか政治家や役人の嘘を受け入れ、間接的に嘘つきを手助けし続けているというわけですね。そこらへんの若いアンチャンだったらいざ知らず、国をひっぱる政治家が嘘だらけ糞まみれではどうしよもないですね。嘘をつき続けてきたということを真剣に自覚し反省すべき時期にきているんです。タバコの禁煙と同様に悪いにもかかわらず、なかなか容易には治らないですね。豊かで便利で平和にどっぷり浸かってきたせいか、人間の浅ましき・愚かしき悪しき面が益々増殖しているようです。そしてそのウイルス細菌は、グローバル化によって、世界各国に撒き散らされ、蔓延していくのです。
歯磨きの例でおわかりのように、
1)誤魔化しは、得策ではない
2)誤魔化しは、早道でもない
3)誤魔化しは、格好よくもない
そういう発想転換をしないと、貴方は堕落する世の中とともに一緒になって堕落していく運命です。「糞真面目な奴は嫌いだ」なんて知ったようなこと言う奴がいますが、糞真面目なんていう人でも、まだまだかなりの不真面目なレベル程度なんです。もし本物の真面目な人なんてのがいたら是非紹介下さい。多分その人に遭って私は言うでしょうね「この人をしてもまだまだ不真面目です」とね。(百戦戦って百戦勝つとも、いまだ武勇の名は定めがたし)
私の場合、私を含めて、いい加減な多くの人には出遭たことはありますが、真面目な人なんか、これまで一度も出遭ったことはないですよ。皆さん大きな勘違いをしているのです。糞真面目でなく、真面目っぽい人や一見真面目に見える人はいても、心底真面目な人は1億人に1人いるかいないかでしょうね。
そういうことですから、まず自分だけは嘘の生き方を改めたいものです。最初はつらいですが、そういう生き方が身に着くと、素晴らしいと想像しています。

「一体なぜ山なんかに登るんだ」という問いに対して、ある登山家が「そこに山があるから登るんだ」と言ったらしいのですが、人間として生まれたのであれば駄目人間で甘んじるのではなく
「本物の真面目な人間になるために生きるんだ」
みたいな心構え・気構えを常に持ちたいものです。
学校で長いこと勉強し、実社会でも日々合理的な考え方や科学的な知識や経験を積み上げても、この一心がなければ糞の役にも立ちませんよ。「真面目な生き方って一体何だろう」と深く考えてみて下さい。

貴方がもし「自分は完璧だ」と思ったとしても、それは”完璧の入り口”に立ったに過ぎないのだ。人間は愚かな生き物であれば、決して奢ってはならない。<テレビでコメンテーターなんてのが偉そうなこと言っていますが、多分彼らの実態なんか、びっくりするほど相当ひどいもんですよ。

村上和隆の人生
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