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使用済み核燃料 英仏で波紋が  1

2011-05-29 13:25:07 | 海外ネットワーク
  5月28日 NHK海外ネットワーク


  イギリス シースケールの原子力施設セラフィールド。
  原子力発電に関するさまざまな施設が立ち並ぶ。
  セラフィールドは1950年代に世界初商業用原子炉が造られた。
  その後、老朽化で原子炉は全て廃炉になっている。
  現在は世界各国から送られる使用済み核燃料の再処理が行なわれている。
  日本からも13年前まで使用済み核燃料が送られていた。

  この古い原子力施設は、長年、地域社会にさまざまな問題を引き起こしていた。
  1983年、地元テレビ局がスクープ番組を放送し、
  セラフィールド周辺の“放射性物質を含む水が海に流され健康にも影響”と指摘した。
  セラフィールドでは1950年代から、
  低レベルの放射性物質が含まれた水を海に流していた。
  政府の許可を得て行なわれてきた放出の事実は1980年代に地元テレビ局が報じるまで、
  ほとんどの国民が知らされていなかったのである。

  1950年代に始まった汚染水の海への放出は1970年代にピークを迎え、
  1975年には1年間に5,000兆ベクレルを超えた。
  イギリス政府が定めた今の基準のおよそ150倍に相当する。
  80年代以降は処理技術が高まり濃度を下げることが出来たと施設側は説明している。

  セラフィールドから放出された汚染水はアイリッシュ海に拡散したと見られる。
  汚染水の放出は海を隔てた対岸のアイルランドや、
  アイリッシュ海からの海流が流れる先のノルウェーでも問題となった。
  現在も放射性物質の影響について研究者による調査と監視が続けられている。
  セシウムなどの放射性物質は今も周辺の海域で測定されている。

  セラフィールド周辺には港町が多く、地元の海で獲れたタラなどの魚が売られている。
  海産物への影響なども実態調査が行なわれているが、
  イギリス政府は健康被害に結びつく影響はないとしている。
  しかし80年代には、セラフィールド周辺で獲れた魚は危険だといううわさが流れ、
  風評被害に苦しんだ漁業者もいた。
  酪農にも影響を与える出来事があった。
  セラフィールドからおよそ25km離れたウィッチアムの酪農家は、
  1957年に何の説明もなく牛乳全てを廃棄するよう命じられた。
  原因はセラフィールドにある原子炉内での火災。
  原子炉は軍事用のプルトニウムを生産するためのもので、
  火災が20日間続き大量の放射性物質が大気中に放出されたとみている。
  詳しい火災の内容が情報公開によって明らかにされたのは1988年。
  火災が起きた当時のマクミラン政権は、
  重大な火災ではないとして大量の放射性物質が漏れた事実などを公表していなかった。
  牛乳処理は放射性物質による内部被爆を防ぐための措置だったが、
  酪農家たちに廃棄の理由の説明はなかった。

  汚染水の放出や火災による放射性物質の漏洩。
  セラフィールドは長年住民に対する情報公開が不十分だった、と専門家は指摘する。

  現在、セラフィールドは地元中心に約1万人の雇用創出している。
  住民の中には貧しかったこの地域が施設のおかげで豊かになったと話す人もいる。
  施設は老朽化してすでに使われなくなったものもあり、
  雇用面の恩恵は今後大きくは期待できない。
  一方、これからも環境への影響調査を続けていく必要性がある。
  事業側には住民に対する細やかな情報提供が求められる。































 







  
















  






















































  
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