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ジム・ロジャーズが語る 世界経済のゆくえ

2014-10-19 08:30:00 | ビズ プラス

10月12日 BIZ+SUNDAY

世界ももっとも著名な投資家の一人ジム・ロジャーズ氏。
ジョージ・ソロス氏 ウォーレン・バフェット氏と並び
世界3大投資家のひとりとされ総資産は1兆円を超えていると言われている。

シンガポールの高級住宅街。
7年前にニューヨークから家族とともに移り住んだジム・ロジャーズ氏(71)。
これまで2度世界一周旅行をし自分の目でさまざまな国を見て投資する独自のを築いてきた。
常にマネーの動きを先読みし
アメリカのブラックマンデーや日本のバブル崩壊を予見したことでも知られている。
Q.今月アメリカは量的緩和を終了させるが世界のマネーの動きはどのように変わる?
(投資家 ジム・ロジャーズ氏)
「国債の買い入れをやめれば価格は下がり心配するくらい金利は上がるだろう。
 それは中央銀行が驚くようなレベルかもしれない。」
量的緩和の終了で悪化に向かう景気。
中央銀行は再び金融緩和を行わざるを得なくなるとロジャーズ氏はみている。
「中央は言うでしょう。
 みなさんを助けるためにもっと紙幣を刷ると。 
 来年か再来年にはバブルになっているかもしれません。
 みなさんも注意して準備しておいた方がいいですよ。」
山高ければ谷深し。
バブルのあとにくる次の不況はかつてない深刻なものになると予言する。
「次の不況は最悪でしょう。
 国の借金も紙幣の発行も多すぎるからです。
 経済危機は常に生まれるものでアメリカでは建国以来4~5年周期で経済の減速が起きています。
政治家が何とかするから心配するな。
二度と不況は起こらないと言いますが必ずまた起こるのです。
リーマンショックはITバブル崩壊の時より悲惨でした。」
深刻な不況に陥れかねないと警告するロジャーズ氏。
各国の中央銀行の金融政策を厳しく批判する。
「彼らは紙幣をばらまくことが人々を支えると思い
 史上初めて日本・アメリカ・イギリスなど主要な中央銀行すべてが大量の紙幣を発行している。
 しかしこれは人工的で実体を伴ったものではありません。
 人工的に海の水位を上げているようなものです。
 それが終わるときみんなひどく苦しむのです。」
ロジャーズ氏がシンガポールに移住したのは成長し続けるアジア経済に注目しているからである。
幼い娘には中国語を学ばせていると言う。
誇らしげに見せてくれたのは中国語でスピーチをするお嬢さんの写真。
「みんな『なんて賢いんだ』と言っていたよ。」
ロジャーズ氏は日本経済をどう見ているのか。
したたかな投資家の目でこう答えた。
「私も日本企業の株を持っていますが株価は大量に紙幣を発行しているおかげでもっと上がるでしょう。
 ただ私は3年以内に手放すかもしれません。
 いま日本がやっていることは円の通貨価値を下げることです。
 一時的に輸出産業を潤しますが 
 歴史上 通貨価値を下げて成長した国はありません。」
Q.日本は量的緩和を終えることができると思うか?
「不可能ではないですね。
 痛みは伴います。
 しかし本来早めにやめるべきです。
 日銀がすでに大量の紙幣を発行しているので日本国債の金利は低く抑えられています。
 利回りは無いに等しく
 日本で貯蓄をしている人にとっては破滅的なことです。
 多額の借金をする人たちを助けるために人工的な低金利によってひどい目に合っているのです。 」
日本への厳しい言葉を並べるロジャーズ氏だが親日家としても知られている。
最後に日本経済復活への期待を語った。
「日本はすべてが快適できれいで効率的です。
 食事も最高だし女性は美しく男性は頭がいい。
 素晴らしい国です。
 残念ながら今は通貨が下落し借金が増え人口も減少していますが30~40年前は素晴らしい国でした。
 私は日本にあるものが大好きでそれが無くなってほしくないのです。
 もし日本がダメになったら私は何処で寿司を食べたらいいのですか。」

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ドイツと中国 経済分野で急接近

2014-10-19 07:30:00 | ビズ プラス

10月12日 BIZ+SUNDAY


ドイツと中国の相互訪問ではいずれもビッグビジネスが成立してきたが
今回もドイツの自動車大手ダイムラーが中国北京に小型車の新工場を建設。
フォルクスワーゲンが新疆ウイグル自治区に新しい自動車試験場を設けることなどで両国が合意した。
総額で少なくとも約4000億円の契約が結ばれた。
中国にとってはドイツ企業の高い技術力とブランドは欠かせない。
中国に対するドイツからの投資額はこの4年間で2倍以上になっている。

李克強国境首相の今回のドイツ訪問は中国の政治や経済の関係者200人を引き連れた大経済ミッションとなった。
10日にベルリンで開かれた両国の経済フォーラムでは投資や先端技術部門での投資について意見が交わされた。
フォーラムにはドイツのメルケル首相も出席。
両国の蜜月ぶりを印象付けた。
(中国 李克強首相)
「中国とドイツはお互いから学びとりともに発展できる関係だ。」
ドイツが力を入れる巨大市場中国。
特に自動車はフォルクスワーゲンを筆頭に日本勢を圧倒する勢いである。
そのフォルクスワーゲンなどにエンジン部品を供給しているドイツの自動車部品メーカー中国工場。
(エルリングリンガー中国支社 ペーター・リントナー支社長)
「中国事業はこの10年右肩上がりで成長率は2ケタに達している。
 需要拡大に応えるため工場の拡張も計画している。」
売り上げはこの10年で10倍に拡大。
中国での売り上げは全体の1割近くを占めるまでになっている。
高い技術を支える人材の流失を防ぐため給与は地元企業の水準よりも約2割高く設定。
年4回のボーナスには商品券
10年働くごとに腕時計もプレゼントする。
(以前日本の企業で働いていたと言う従業員)
「日本企業に比べてドイツ企業は考え方が革新的。
 会社の将来も明るいと確信している。」
中国での存在感を増すため
ドイツが欠かせないと考えるのが中小企業の現地進出である。
ドイツの州政府が運営する事務所では
中小企業が苦手な現地での交渉のために英語やドイツ語に堪能な中国人スタッフを積極的に派遣するなど
行政が全面的にバックアップしている。
(中国進出を決めたドイツ企業担当者)
「中国への進出に必要なことはすべて事務所が処理してくれた。
 おかげで良いスタートが切れる。」
日中関係がぎくしゃくする中で専門家はドイツの中国進出は加速すると指摘する。
高い技術を持つ製造業という武器は同じ特徴を待つ日本企業の戦略にも影響を与えそうである。
(ドイツ企業の中国進出を支援 ジャーマンセンター上海 クリスティアン・ゾマーCEO)
「政治に問題があれば経済に影響を与えるのは間違いない。
 ドイツはアジアの国々と良好な関係を築いている。
 これはドイツに利益をもたらしてくれるだろう。」

ドイツがここにきて中国進出を強めるのはドイツの大きな輸出先であるユーロ圏経済の低迷がある。
現にその影響で最近経済指標はドイツ経済の弱さを示すものも多く必死さも垣間見えてくる。
特に自動車は
今年上半期の世界の販売台数はトヨタに迫る500万台近くに達したフォルクスワーゲンは
その4割近くが中国だけで売り上げていて
メルケル首相が毎年のように訪問するほどの大事なマーケットになっている。
ドイツは今はユーロ圏と距離を置いていると言わざるを得ない。
ドイツは自らが構造改革と財政再建を進めてきた強い自負を持っている。
ユーロ圏の他の国々などにはそうした努力が足りないと不信感に似たものが存在している。
メルケル首相はスペインとギリシャの首相と相次いで会談した際に
財政の健全化などを求めて再びくぎを刺した。
ドイツ経済を取り巻く環境は足元のユーロ圏が揺らぎ
ウクライナ情勢の影響でロシアとの貿易も順調とは言えない。
だからこそ中国の重要度は増している。
景気減速が心配されている中国への過度の依存には警戒感もあるが
やはり中国市場は他と比較にならないドル箱ともいえる存在で
当面力を入れることになりそうである。

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