6月6日 おはよう日本
いま韓国K-POPの世界で
日本人が続々とデビューするというこれまでにない現象が起きている。
K-POPアイドル「TWICE」。
彼女たちの歌う曲は去年韓国ガールズグループの中でトップの売り上げを記録。
いま最も人気のあるグループの1つである。
このグループのなかで活躍しているのが
モモ、ミナ、サナの3人の日本人。
グループのセンターに立つこともあるサナさん。
15歳のときに韓国に渡り
練習性として3年間歌と踊りの下積みをしてきた。
韓国の人に自分の思いが直接伝えられるように韓国語の勉強も続けてきた。
(テレビ司会者)
「韓国に来るまで韓国語は全然できなかったの?」
(サナさん)
「はい全然できませんでした。
事務所で週に1回授業を受けて勉強して
時間があるときバラエティー番組を見て分からない単語を調べたりしました。」
その懸命な姿を認められると
去年サナさんが歌ったフレーズが大人気に。
♪ シャシャシャ
韓国の流行語にまでなった。
長年K-POPの動向を見つめてきた評論家は
韓国で日本人アイドルがこれほど人気を得たことはこれまでなかったという。
(K-POP評論家 チヤ・ウジンさん)
「これまで日本国籍を持つ芸能人に対しては
好きだという人と嫌いだという人とにはっきり分かれていました。
日本人を含むグループが
これほど広く人気を得るのは珍しいと思います。」
日本への国民感情が良くない中で日本人を応援することにためらいはないのか。
意外な言葉が帰ってきた。
(ファン)
「歴史や領土などの問題はあっても
同じ夢を持った人たちが出会い
成長していくことはいいことだと思います。」
「日本人だから韓国人だからと仲良くなれないのは
今のグローバルな時代にはありえないと思います。」
TWICEと日本人に対する見方が変わったという人もいる。
イ・ダヨンさん(27)はサナさんの大ファンである。
(イ・ダヨンさん)
「日本では家に帰ってきた人に“おかえり”と言うと聞いた。」
これまで日本に交換を持てなかったダヨンさん。
しかしサナさんの韓国になじもうとする姿を見て
しだいに日本人への意識が変わってきたという。
(イ・ダヨンさん)
「サナさんは私に取って初めて好きになった日本人です。
いつも笑顔できちんとしていて
誰にでも礼儀正しいんです。
私も日本人の友達がたくさんできたし
日本に親しみを持つようになりました。」
日韓が融合して活動するTWICEの人気。
そこにはこれまでとは違う視線で日本を見つめる韓国の若い世代の姿があった。
一方の日本。
兵庫県に数年前から若者たちの間で人気を集めている場所がある。
K-POPアイドルを目指す人のためのダンススクールである。
在籍しているのは小学生から20代まで40人以上。
(生徒)
「TWICEみたいになりたい。」
「国境を超えて違う言語の人を魅了するところに魅力を感じて。」
17歳の早瀬華さん.
毎日のように歌と踊りの練習を重ねている。
華さんがKーPOPにあこがれたのは小学生のとき。
テレビやインターネットを通じて韓国アイドルのとりこになった。
K-POP独特の歌と踊りの高い完成度。
そして欧米も視野に入れたグローバルな活動。
日本とは違うアイドルの姿に魅了されたのである 。
(早瀬華さん)
「高いダンススキルと歌がすごく魅力的だなと思っていて
自分もその中に入ってやりたいなと思いました。」
しかし不安は韓国に根強く残る反日感情である。
母親の美和さんは
華さんがK-POPを目指すことを当初心配したという。
(早瀬美和さん)
「韓国で日本人がどんなふうに思われるかとか
グループに入っても日本人の扱いがどういうふうに見られるんだろう。
『日本じゃあかんの?』って聞いたら
『韓国に行ってまた日本でも活動したい』と言ってたので。」
華さんは不安以上に
K-POPが自分を成長させてくれる場所だと考えている。
4月末
華さんはダンススクールの仲間とソウルにやって来た。
韓国の芸能事務所がいま
K-POPでの活躍がめざましい日本人に注目するようになっている。
華さんはこの日オーディションに挑戦することにしたのである。
オーディションの課題は韓国語での歌。
そしてダンス。
いま韓国で流行しているヒップホップで挑む。
終了後 華さんの演技にはたくさんの課題が出された。
「韓国語での表現力をもっと身につけてください。」
「チャンスなんだからもっと自分を見せて。」
練習してあらためて挑戦をしてほしいと告げられた。
韓国に渡り自分を磨いていきたいという思いを強くしている。
(早瀬華さん)
「言ってもらったことをまた吸収して
勉強して
頑張っていこうと思います。
日本と韓国の懸け橋になれるような存在になっていきたいので
そうなれるように頑張っていきます。」