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小学生から“留学” 子どもたちは

2020-01-09 07:00:00 | 報道/ニュース

12月10日 NHK「おはよう日本」


英語だけの環境で1日を過ごす保育園。
各地でキャンセル待ちが出るほどの人気である。
(保護者)
「耳を養うのは本当に幼少期。」
「ただの保育よりいいのかな。」
海外留学のフェアで目立つのは小学生の親子連れ。
(訪れた保護者)
「国際的な感覚を身につける方がいいかな。」
(小学5年生)
「英語しゃべれるようになりたい。」
来年度から小学5,6年生で英語が正式な教科となる。
こうしたなか広がっているのが小学生や中学生など低年齢での海外留学である。

ニュージーランド最大の都市オークランド。
公立小学校のSt Thomas's Schoolでは
7人の日本人留学生が現地の児童に混ざって学んでいる。
「8才です。
 楽しい。」
約半数が日本を含む外国出身の児童。
ニュージーランドでは積極的に低年齢の児童を受け入れている。
(留学担当の政府機関 エデュケーション・ニュージーランド マクファーソン氏)
「年齢の低い留学生の教育について私たちは明確なルールを定めています。
 ニュージーランドは世界で初めて留学生の生活を保障する規定を作った国です。」
小学生たちはどんな生活を送っているのか。
今年4月から留学しているKOUKIくん(10)。
日本の公立小学校に通っていたが
“グローバルな視野を持ってほしい”という親とともに留学を決めた。
学校生活に慣れ楽しく通っているが
今でもつい日本人の友だちと遊んでしまうという。
(4月から留学 KOUKIくん)
「日本語しゃべれるひと優先で遊んでる。
 英語くそ~できない~って
 くやしいと思う。」
英語の聞き取りは上達したが話すのはまだ苦手というKOUKIくん。
日本人の補助教員が教えてくれる英語の授業が助けになっている。
ニュージーランドのほとんどの学校でこうしたESOL(英語が母語ではない児童のための授業)が行われている。
(日本人補助教員)
「保護者の中には
 海外に行けば2~3か月で英語が習得できる
 話せるようになると思っている方もいるが
 耳が慣れるのに半年かかります。
 1年経ったぐらいでようやく自分の意見を本当に少しだが言えるようになる。」
小学校入学に合わせて留学し5年が経つ女の子もいる。
REIRAさん(11)。
「日本語と英語だったら英語。
 あんまり日本語しゃべれないからunnderstand(理解)できないときもある。」
母親と弟の3人で暮らすREIRAさん。
父親は日本に残り留学生活を支えている。
母親は日本語で話しかけるが
「Problem solving(問題解決)の授業は何をするの?」
「(英語)クラスによって先生が違って課題を与えてくれる。」
子どもたちが日本語を忘れることに悩んだ時期もあったという母親。
せっかく留学したのだからと
英語に集中させることに決めた。
(母親)
「英語だけをやってきてそれが良かったかはわかりませんけど
 それぐらいした方が英語は絶対身につくし
 後悔するかもしれないし
 これがよかったて思うかもしれない。
 まだ分からないですよね。」

英語を学びながら日本語力をいかに保つかは
子どもが留学している保護者に共通の悩みである。
そのためニュージーランドには日本人向けに日本語で教える学習塾もある。
ニュージーランドの場合
10歳以上は現地に保護者代わりの人をつければ1人で留学することが出来る。
中学生になって1人で留学した生徒たちは
自分で困難を乗り越える力を求められることが見えてくる。

ニュージーランド クライストチャーチ。
今年4月から留学しているKOUEIくん(12)。
(KOUEIくん)
「ジョーはサッカーがうまくてけっこうスポーティ。
 アイザックはやさしく話しかけてくれる。
 友だちと過ごすのは楽しいです。」
日本の小学校を卒業後自ら留学を決めたKOUEIくん。
思いがけず苦労したのは活面での自立だった。
KOUEIくんはいま保護者代わりの日本人の家で一時的に暮らしている。
最初の半年はニュージーランド人の家にホームステイしていたが
英語がまだできないうえに身の回りのこともままならず
関係がぎくしゃくしてしまったという。
ニュージーランドでは“自分のことは自分でする”ことが日本以上に求められるからである。
(KOUEIくんの留学を支援 山本さん)
「親御さんがいたらやってくれることを全て自分でやらなきゃいけないのは大変。
 お客様ではないので 留学のホームステイは。」
部屋の掃除など以前よりできることが増えたKOUEIくん。
1月からまたニュージーランド人の家庭で暮らすことが決まった。
英語を学ぶだけでなく
“英語で生活できるようになること”が今の目標である。
(4月から留学 KOUEIくん)
「英語がわかったらそれでいいなかなって思ってたけど
 ちょっと違った。
 これからは生活面のことをきっちりする。」
悩んで自分と向き合ったことで留学生活が前向きに送れるようになったという生徒もいる。
1月から留学しているMIKIさん(16)。
私立中学のカリキュラムの一環で10か月間の留学に挑戦。
しかし他の留学生と比べて英語が話せないと悩み
学校を休むほど思いつめた。
(大阪薫栄女学院から留学 MIKIさん)
「ニュージーランド人の人たちに囲まれて笑ってる自分がイメージにあったのに
 こっち来たら全然そんな感じじゃなくて
 ひたすら悩んで泣くみたいな感じでしたね。」
甘えてはいけないと
日本にいる母親にも相談できずにいたMIKIさん。
しかしその母親からの言葉に救われたという。
「“英語のためだけに留学しているわけじゃないから英語だけにこだわらないで”
 全然英語が上達しないまま帰ったらお母さんに失望されるかと思っていた。
 けっこう気持ちが楽になりました。」
考え方を変えたことで友だちとも積極的に話せるようになった。
英語力以上に大切なものが
留学で得られたと感じている。
(MIKIさん)
「日本じゃ絶対できないようなことを体験できたし
 1年間ずっといてちゃんと過ごせたことも自分の自信になると思う。」


 

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