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梅宮辰夫さん

2020-01-14 07:00:00 | 編集手帳

12月13日 読売新聞「編集手帳」


梅宮辰夫さんは1985年から3年ほど『くいしん坊!万才』という番組に出演し、
旅先で地元の人たちを手伝って見事な包丁さばきを見せた。

ほかの料理番組からも出演依頼が次々舞い込み、
本来は俳優なのに板前さんと思われないかと心配していたとき、
ある刑事ドラマで署長役が回ってきた。
だが脚本を読み、
「やっぱり」と苦笑いした。
犯人逮捕より今晩の食事のメニューを考えることを優先する役柄だったという。

愛称は「辰
兄にい」「辰ちゃん」――
俳優業はむろん料理や釣り、
軽妙なトークでお茶の間に親しまれた梅宮さんが81歳で亡くなった。

東映ヤクザ映画「県警対組織暴力」を思い出す。
菅原文太さん演じる腐敗した同僚を追い詰める清廉な刑事役を演じた。
菅原さんをはじめ松方弘樹、
山城新伍さんといった強烈な個性の俳優が居並ぶなかで、
深作欣二監督は、
凜(りん)として悪に染まらない役を存在感をもってやれるのは梅宮しかいないと考えたらしい。

一人娘のアンナさんを思い、
心配するパパの顔もおなじみだった。
皆さんにとって、
やっぱりと思う梅宮さんの顔は何だろう。
愛された人が逝った。



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