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“天空の聖地”でクラフトビール

2020-01-12 07:00:00 | 報道/ニュース

12月13日 NHK「おはよう日本」


厳粛なお寺とビール。
一見 無縁そうだが
この意外な組み合わせで地域の活性化を目指そうという動きが
真言密教の聖地 高野山で始まっている。

和歌山県北部に位置する
世界遺産 高野山。
弘法大師が1,200年前に開いた山上の宗教都市には120もの寺が集まっている。
11月 その高野山で行われたのはあるクラフトビールのお披露目会。
会場には僧侶の姿もある。
「弘法大師も
 高野山は冬 寒いので
 お酒の一杯ぐらいええんやないかとおっしゃっていると聞きましたから
 よろしんじゃないでしょうか。」
このクラフトビール
地元高野町でとれたホップを使っていて
フレッシュな香りが楽しめることが特徴である。
ホップは冷涼な気候でしか育たないため
日本では東北地方や長野県など限られた場所でしか生産されていない。
このビールで使われているホップを高野町で栽培しているのが尾上さん。
仲間とともに会社を起ち上げ
3年前からホップの栽培を始めた。
新鮮なホップを使った高野山だけで飲めるビールを作ることで
人口減少や耕作放棄地の増加に悩まされている地元に
新しい産業を作りたいと考えたのである。
(尾上さん)
「高野町富貴は標高が高いので
 温度も年間通じてそんなに暑くならない。
 これだったら育つんじゃないかと。」
約2,000㎡の耕作放棄地を借りて始めたホップの栽培。
しかし初めてのホップづくりは苦難の連続だったという。
耕作放棄地の畑は養分が足りず
最初はホップが大きく育たなかった。
(尾上さん)
「土自体の地力がなかった。
 学者や先生たちに聞きながら
 ミネラル入れたり微生物入れたり
 土づくりから勉強して
 今も継続している。」
ホップの栽培を始めて3年目の2019年
尾上さんたちはようやく本格的なビールの醸造にこぎつけた。
ビールは麦芽をお湯に混ぜたものに香り付けのためのホップを入れ熟成させてつくる。
ようやく出来上がったビールの味は
「おいしい。」
「香りが上がってますね。」
「コクもあるしフレッシュさもある。」
この日 珍しくスーツを着込んだ尾上さんたちが完成したビールをある場所に運び込んだ。
高野山 真言宗の総本山 金剛峯寺である。
地元の特産品として高野山を代表する寺にも後押ししてもらおうと考えたのである。
ビールにつけた名前は「天空般若」。
“聖地で作られたお酒”という意味がある。
奉納は無事に終わり
宿坊の利用客にこのビールを出せることになった。
(高野山真言宗 宗務総長)
「高野山も周辺の村落が過疎化で農業が衰退している。
 こういう形で新しい産業に成長するものができるのは
 我々にとっても非常にうれしい。」
(尾上さん)
「聖地 高野山で
 金剛峯寺に奉納させてもらって
 本当に感謝している。
 ビールを通じ農業や町が元気になってほしい。
 高野山の魅力を感じてほしい。
 そのようなビールになってほしい。」
世界遺産 高野山だけで飲める特別なクラフトビール。
地域活性化の起爆剤になるか
期待が高まっている。



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