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“災害時の保存食” パンを海外へ

2020-01-24 07:00:00 | 報道/ニュース

12月23日 NHK「おはよう日本」


台風などで甚大な被害が相次いだ2019年。
災害時の保存食として愛媛県内の企業が作るパンに大きな注目が集まった。
その理由は賞味期限。
国のガイドランなどをもとに定められ
通常の10倍以上 43日長持ちするパン。
しかも保存料は一切使われておらず
常温で保存できるとあって
大手スーパーなどからの引き合いが1日に製造できる量を大幅に上回った。
これらの商品を製造しているのは愛媛県砥部町のパンメーカー。
長持ちさせる秘密は何か。
まずは生地。
パネトーネ種という特別な天然酵母を生地に練り込む。
「これが日持ちを長くする1つのカギになる。」
この酵母を使うことでカビや細菌が繁殖しにくくなる。
さらにパッケージの工程には企業秘密も。
気密性が高くしっとり感が長続きする。
この強みをもっと追求しようという取り組みも始まっている。
「こちらが今 製品の保存テストをやっています。」
今の43日の賞味期限を1,5倍の68日まで延ばそうというのである。
そのカギは生地と混ぜる油脂
これまで使われてきた動物性油脂はコクやうまみを出すが
賞味期限がさらに延びると酸化して匂いが出てしまう。
そこで植物性油脂だけに切り替えて匂いの発生を防ぐとともに
うまみなどは他の成分で補うことにした。
テストは最終段階。
近く商品化される予定である。
(四国シキシマパン 製品開発 マネージャー)
「賞味期限が長ければ長いほど保存の価値も上がるので
 極力長めに
 でも美味しくなるよう開発を進めていきたい。」
人口減少で国内市場が縮小するなか
この企業が目を向けるのが海外マーケットである。
千葉で開催された輸出向け食品の商談会。
「解凍後30日です。」
「どれぐらい持ちますか?」
「常温で43日ですが
 海外の方は冷凍して現地で解凍してから30日間。」
「結構持ちますね。
 おいしいです。」
輸送に時間がかかるぶん海外で勝負するのに重要なのは
何よりも賞味期限の長さ。
見積もりやサンプルの問い合わせなどおよそ25件もの引き合いがあった。
(来場者)
「新鮮なパンと同じように柔らかくておいしい。
 中国の消費者にも食べてもらえたらいいなと思う。」
11月下旬の東京
消費者の生の声を聴こうと
日本に住むアジアや欧米出身の人を招いた試食会が開かれた。
多かった指摘は
1個ずつ包装されたパンに慣れていないこと。
特にターゲットの1つ 香港のグループでは
「香港ではあまりこういうパッケージの中にあるパンを買う習慣がない。」
「保存料不使用って結構強い要素だと思った。」
“保存料を使っていないことをパッケージで目立たせた方がいい”と助言をもらった。
災害がきっかけで大きな注目を集めたパン。
強みを伸ばしながら挑戦を続ける。
(四国シキシマパン 塚本社長)
「災害で大変なところを少しでもサポートできるのは
 企業としても非常にありがたいこと大事なことだと思っている。
 海外でも十分勝負できる品質になってきたので
 広い海外という市場で是非評価をいただき
 ポジションを獲得したい。」



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