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ロシア流アフリカ戦略 「最後の巨大市場」で何が

2019-11-17 07:00:00 | 報道/ニュース


10月24日 NHKBS1「国際報道2019」


“最後の巨大市場”として注目されるアフリカで
ロシアが存在感を高めている。
アフリカにはTICAD(アフリカ開発会議)を主催する日本をはじめ
中国も貿易や投資の拡大に力を入れているが
その進出競争に今ロシアも名乗りを上げている。
ロシアで10月23日に開幕したロシア・アフリカ経済フォーラム。
ロシアで初めてアフリカ54か国の代表を一堂に集めた国際会議である。
ロシア大統領府によると
アフリカ54か国のうち43か国が大統領や首相が出席しているほか
残りの11か国も副大統領や外相級を派遣したということである。
同行している関係者を含めると参加者の数は1万人以上にのぼり
初開催としては上々の成果と言える。
プーチン大統領は初めのスピーチでアフリカ進出に向けた意気込みを示した。
(ロシア プーチン大統領)
「アフリカにはロシアの潜在的なパートナーが多くいる。
 今後4~5年で最低でも貿易量を2倍にできると信じている。」
アフリカ進出はすでに日本や中国が力を入れていてロシアは出遅れた感が否めないが
カギを握るのは
旧ソビエト時代からの伝統ともいえるアフリカ諸国との強い結びつきである。
28年前のソビエト崩壊とともにその関係はいったんは弱まったが
ロシアは今
インフラ整備と資源開発というソビエト時代から培ってきた技術とノウハウを武器に
再びアフリカに回帰している。

ロシア最大の鉄道車両メーカーの工場。
去年 年間生産量を上回る1,300両の超大口契約が舞い込んだ。
輸出先はエジプト。
発注したのはエジプトの国営鉄道会社である。
(鉄道車両メーカー 設計担当者)
「エジプトから多くの要求がありましたが
 満足してもらえる車両ができました。」
創業120年になるこの工場も
アフリカ進出を目指すプーチン大統領の政策の一翼を担っている。
ロシアとエジプトの強い結びつきは約60年前にさかのぼる。
ソビエトの経済支援で建設された「アスワン・ハイダム」。
エジプト近代化の象徴ともいえるインフラ事業への関与が
今も両国の関係に受け継がれている。
(鉄道車両メーカー トランスマシュ社 社長)
「エジプトは旧ソビエト時代からのパートナーです。
 当時はエジプトで積極的に産業政策を進め
 金属加工場や水力発電所を建設しました。
 エジプトの人はこうした過去に尊敬の念を抱いてくれています。」
さらにロシアは天然資源の開発に力を入れている。
アフリカ有数の産油国アルジェリア。
1962年 フランスから独立した後
一時は社会主義政権が国を率い
ソビエトの強い影響下にあった。
アルジェリア進出の足掛かりとなったのが石油と天然ガスの開発技術である。
ロシアの政府系ガス会社はシベリアで培った探鉱技術をアルジェリアの砂漠に応用。
4つの石油・ガス田を掘り当てるなど大きな成果を上げた。
ロシア企業は大西洋に面したアンゴラの奥地でも活発に活動している。
お目当ての資源はダイヤモンド。
ロシアの政府系企業が鉱山開発に着手。
4年前には埋蔵量3億カラット(3兆円規模)の巨大なやダイヤモンド鉱山を開いた。
現地で働く社員のためにプールや娯楽施設を完備し
長期的な事業戦略を進めている。
(天然資源開発会社 現地駐在員)
「環境は整っています。
 町から遠いので外出は気軽にできないけれど・・・。」
旧ソビエトが残した遺産はいま大きな富をもたらそうとしている。
(天然資源開発会社 アルロサ社 副社長)
「旧ソビエト時代は
 国も企業もリスクを承知で独立したばかりの若い国の支援に力を注いできました。
 そのアフリカが今や
 新たな鉱脈の発見が期待できる最後のフロンティアです。」

ロシアにはもうひとつ強力な切り札がある。
それが“軍事協力”である。
アフリカで中国と同じ土俵で戦っても勝てない
経済力ではかなわないということはロシアも熟知している。
軍事大国の強みを生かして
“武器”という商品
“軍事訓練”というサービスを売り込もうとしているのである。
混乱が続く中央アフリカ共和国ではロシア人が務めている。
ロシアテレビが伝えた軍事協力の実態は。
(ロシアTV)
ここはかつて独裁者の宮殿でした。
今は中央アフリカ共和国の国防省の訓練キャンプ場となっています。
これはテロリストに占拠された村を奪還する訓練です。
火薬が仕掛けられ
訓練生たちは爆発や砲撃に慣れていきます。
Q.こんなに離れた場所で何を?
(教官)
「兵士たちの訓練ですよ。
 ロシアの国益を追求する重要な仕事です。」
ロシアは何を求めアフリカのジャングルにやってくるのでしょう。
(中央アフリカ共和国 ザハロフ軍事顧問)
「ロシアはこの国を助けるために来たのだ。
 平和を取り戻すためだ。
 長い内戦が続き
 国際社会に何度も助けを求めたが
 ロシアのおかげで平穏を取り戻せた。」
軍事をてこにその国に接近する手法は旧ソビエトの軍事顧問団とよく似ている。
ロシアの専門家は
“アフリカでは今後 軍事的な需要がさらに高まる”と自信を深めている

(ロシア科学アカデミー アフリカ担当)
「ロシアは兵器の供給だけでなく
 アフリカの紛争を収拾し
 安全保障問題を解決する能力がある。
 その範囲は軍人や警察官の訓練から情報セキュリティ分野まで実に幅広いものだ。」
そうした一方で早くもロシアのこうした動きに懸念の声が上がっている。
アフリカでロシアと軍事協定を結んだ国の数は
4年前まで10か国ほどだったが
今では30か国以上に増えた。
この中には政治が不安定な国もあり
独裁政権がロシアから過剰な武力を手に入れ
国民や周辺国に振りかざすことがないか懸念されている。
アフリカではアメリカの関与が限定的なため
ロシアや中国の影響力を阻止する国が見当たらないのも懸念材料である。
最後の巨大市場をめぐる熾烈な覇権争いは
ロシアが軍事協力を足掛かりに
先行する中国を追いかける形になっている。



 

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日本橋2丁目 フレンチビストロ ルプティボヌール

2019-11-16 19:06:04 | グルメ

 

 

 

  

  
                         (食べログより) 

  

 

 

東京メトロ銀座線 日本橋駅 3分
東京メトロ東西線 日本橋駅 3分
JR線 東京駅 5分
日本橋駅から125m
日本橋高島屋S.C.新館 6F


http://www.rincrew.co.jp/lepetit/index.html




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アルゼンチン 通貨暴落 苦しむ市民

2019-11-16 07:00:00 | 報道/ニュース

10月24日 NHK[おはよう日本」


アルゼンチンの首都ブエノスアイレスにある老舗のレストラン。
創業140年になる。
このレストラン
オーナーが逃げてしまったあとも従業員だけで営業が続けられている。
いま街のいたるところにこうしたオーナー不在の“ゾンビレストラン”が増えている。
(レストラン従業員)
「新しい仕事を見つけるのは難しい。
 この店で働き続けるしかない。」
影響は市民の生活にも出ている。
ルイサさん(74)は年金暮らしで
切り詰めた生活のなか買い物も一苦労である。
アルゼンチンは年率50%のインフレが続き
商品の値段が毎日のように変動している。
そんななかルイサさんが使っているのは政府機関が提供するアプリ。
政府は7万点を超える商品の価格の提供を義務付けていて
半径5キロ以内の最安値がわかる。
ルイサさんは安い商品を探して近所をの店を回っている。
(ルイサさん)
「食品の値段が上がり続けている。
 アプリがないと生活できない。」
さらに金融市場の混乱を物々交換でしのごうとする人たちもいる。
並べられているのは
手作りのパンや
着られなくなった洋服
古い携帯電話など。
全て近所のひとが持ち寄ったり拾ってきたものである。
家で作ってきたドーナツ12個と洋服を交換した女性。
「とても厳しい状況です。
 ミルク・油・砂糖・麺
 欲しいものはドーナツで手に入れています。」
こうした混乱の中
富裕層は国外への脱出を考えて始めている。
自動車部品の輸入販売を営むウゴさん(67)。
従業員20人ほどを雇っているが
将来に大きな不安を抱いている。
財政破綻という不測の事態に備え
早ければ今月中にフロリダに持つマンションに移住する予定である。
(ウゴさん)
「物が不足し市民同士の奪い合いが起きる。
 私はアルゼンチンから出ていく。」





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女性のサッカー観戦 解禁に揺れるイラン

2019-11-15 07:18:18 | 報道/ニュース

10月24日 NHKBS1「キャッチ!世界のトップニュース


厳格なイスラム国家のイランでは
スタジアムでの女性のサッカー観戦が禁止されてきた。
それが10月
イスラム革命以来初めて認められ
女性サポーターがスタジアムで選手に声援を送った。
その一方で依然として女性の観戦には制約が多い。

10月10日 イランの首都テヘランで開かれたサッカーW杯アジア2次予選。
観戦を認められた女性がスタジアムに詰めかけた。
(観客)
「言葉ではとても表現できないぐらいうれしい気持ちでいっぱいです。」
「ずっとスタジアムに来たかったので
 とても興奮しています。」
この日の試合を観戦した女性は約4,000人。
これだけの規模で女性の観戦が許されたのは
40年前に厳格なイスラム体制が樹立されて以来初めてのことである。
これまで
試合に興奮する男性から女性の安全を守ると言った名目で女性の観戦を禁止してきたが
今回 特別な対応がとられた。
女性専用の観客席が設けられた。
男性と距離をとるために女性の席の周囲に張り巡らされたフェンス。
さらに女性の数はスタジアムの収容人数のわずか5%に制限された。
そのため待望のチケットを入手するのは至難の業だったという。
イラン政府は事前に女性の観戦容認を表明していたものの
“何時から何席売り出すか”は明らかにしていなかった。
そして試合6日前の午前1時ごろ
突然インターネット上で販売がスタート。
深夜にもかかわらず一部の熱烈なファンたちがサイトに殺到し
数時間で完売した。
主婦のシミンさんがチケット購入の舞台裏を語った。
(シミンさん)
「購入は大変でした。
 発売開始の時 寝てしまっていたんですが
 友だちが買っておいてくれたんです。」
それでも友人の多くが購入できず
女性の人数制限があること自体に強い憤りを覚えている。
(シミンさん)
「チケット販売の女性への制限がなくなって
 もっと多くの女性が観戦できるようになってほしいです。」
今回 政府が重い腰を上げざるを得なかった背景にはひとつの悲劇があった。
9月 男性に変装してサッカースタジアムへの入場を試みて一時拘束された20代の女性が
懲役刑になると聞かされた直後
自らガソリンをかぶり焼身自殺を図ったのである。
女性は病院へ運ばれたが1週間後に死亡した。
現場近くで働く男性は自ら火をつけた女性の様子を目撃したという。
(目撃者の男性)
「女の子から煙が上がり
 周りの人たちが水をかけていました。
 涙がこぼれました。」
事件をきっかけに
国際社会からイランに対する批判が殺到。
地元メディアは
“女性の観戦を認めなければW杯の出場資格を停止する可能性があると
FIFA(国際サッカー連盟)から通告があった”と伝えている。
(FIFA インファンティーノ会長)
「イランの女性が男性の試合も観戦できるようにしなければならない。
 我々はこれを強く要求する必要がある。
 もはや待つことはできない。」
こうした国際社会からの圧力の高まりを受け
イラン政府は今回の女性ファンの観戦を認めたのである。
今後 政府は
大規模なスタジアムで女性専用の入り口や観戦エリアを設ける方針だが
あくまでも国際試合に限られ
国内チーム同士の試合に拡大されるめどはたっていない。
「恥を知れ!
 恥を知れ!」
背景には国内にいる保守的な考えを持つ人々の存在がある。
政府が女性の観戦を認めたことに喜ぶ人がいる一方で
この判断を批判する人たちがデモを行った。
中には“イスラム教の価値観に反する判断だ”と訴える人もいた。
(デモ参加者)
「シーア派のひとりとして女性の観戦を快く思いません。
 ムスリム女性の尊厳が保てなくなります。」
女性たちのサッカー観戦は広がるのか。
今後も険しい道のりが続く。





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異文化とのスクラム ラグビーW杯 現場は

2019-11-14 07:00:01 | 報道/ニュース

10月24日 NHK[おはよう日本」


日本が初のベスト8に進むなど大きな盛り上がりを見せているラグビーW杯。
一方で世界中から多くのファンが訪れるなか
文化の違いなどから思わぬトラブルも起きている。

ラグビーW杯を前にイギリス政府が製作した動画。
イギリスと日本にはいろんな違いがあります。
たとえばハグ(抱きつくこと)です。
文化の違いによるトラブルを防ごうと
日本を訪れるファンに向けて作られた。
“公共の場で騒がない”
“あいさつで他人に抱きつかない”など
6つの注意点を呼び掛けている。
(TVNZ)
W杯で注目されているのがタトゥーです。
ニュージーランドのテレビ局が取材したのはタトゥー(入れ墨)。
ニュージーランドでは先住民の伝統文化だが
日本では反社会的勢力を連想させてしまうことなどを伝えた。
大会期間中に訪れる外国人は
推計 約40万人。
国籍や文化もさまざまである。
自分の国では大目に見られる言動も
日本ではトラブルの種となることも少なくない。
試合会場に近い京王線飛田給駅には外国人ファンが詰めかける。
ふだんは2人しかいない駅員を試合当日には警備員を含め約60人に増員。
車内で騒ぐ外国人に“注意してほしい”という声も寄せられたため
鉄道会社は
マナーを周知するポスターを構内に貼った。
(京王電鉄 旅客サービス課)
「試合後は興奮冷めやらない人が多く駅に訪れる。
 大声で騒いだりしたときには声がけして
 “降りてから喜んでください”と対応している。」
トラブルは会場周辺だけではない。
熊本では
ウルグアイ代表の選手らが飲食店で酒を飲んで暴れたなどとして
警察に通報される事態となった。
東京新宿の繁華街にも外国人の姿が急増。
グラスを店の外に持ち出したり
煙草をポイ捨てしたり。
“マナーが守られない”と頭を悩ませている。
(飲食店店主)
「外国人が増えましたね。
 来年のオリンピックが怖い。」
そこで英語のポスターを急きょ作成。
来年のオリンピックを見据え
異なる文化の人たちをどう受け入れればいいのか
模索している。
(新宿ゴールデン街商業組合)
「これから観光大国としてやっていくために
 大勢の人を呼ぶのは良いことだと思う。
 せっかくだから
 日本の飲み方の文化やルールに合わせて飲んでもらえれば。」
こうしたトラブルの一方
今大会では
出場チームが試合後 お辞儀でファンに応えるなど
日本の文化に敬意を示す姿も多く見られる。
来日するラグビーファンに注意を呼び掛ける動画を作ったイギリス政府。
ロンドン五輪を開催した経験を踏まえ
“国際的なスポーツ大会が異なる文化や多様性を尊重し合うきっかけになる“と話す。
(イギリス ポール・マデン駐日大使)
「ロンドン五輪はイギリスのあまり知られていない側面を意の人々に示す
 良い機会となりました。
 日本でもきっと同じことが起こると思います。」

 

 

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バスケを稼げるビジネスに

2019-11-13 07:00:00 | 報道/ニュース

10月23日 NHK[おはよう日本」


10月開幕したバスケットボール Bリーグ。
人気は右肩上がりである。
それを引っ張るのは千葉ジェッツだが
実はかつて経営破綻寸前だった。
今では観客動員数1位でリーグトップクラスの売り上げを誇る。

船橋アリーナで行われた千葉ジェッツのホーム開幕戦。
平日にもかかわらず4,500人の観客が詰めかけた。
千葉ジェッツ会長の島田慎二会長は
経営コンサルタントとしての手腕を買われて人気クラブに育て上げた。
(千葉ジェッツふなばし 島田慎二会長)
「Bリーグができてから
 バスケをビジネスというとらえ方ができるコンテンツになった。」
立て直しでまず手掛けたのがスポンサー集めだった。
島田さんがキーワードに掲げたのが“打倒トヨタ”。
巨大企業トヨタ傘下のチームへのライバル心をあえてむき出しにすることで
ベンチャー企業などの共感を得た。
今では約400社のスポンサーの獲得に成功している。
(千葉ジェッツふなばし 島田慎二会長)
「“世界のトヨタ”に立ち向かっていこうという志みたいなもの。
 “何をしでかすか分からない”
 やんちゃキャラを打ち出すブランディング。
 こっちから仕掛けていかないといけないという思いはありました。」
クラブの収益を向上させるため
グッズの改革にも力を入れた。
責任者に抜擢したのは異業種から招いた人材である。
グッズ担当の大木さんは一昨年アパレル会社から転職してきた。
今シーズン新たに開発したのが
チームカラーの赤をあえて使わない
女性のニーズを意識したデザインである。
(ファン)
「ファッショナブルな商品が出たので買おうかな。」
「黒色の方が普段使い出来そうなので。」
グッズ部門の売り上げは2年前から約3倍に増えた。
クラブにはこんな顔ぶれも。
(営業担当者)
「車のディーラーでした。」
「日本貿易振興機構(JETRO)です。」
(広報担当者)
「広告の製作会社です。」
(千葉ジェッツふなばし 島田慎二会長)
「スポーツにとらわれていない。
 どういう物を消費者が好むか。
 ピュアに考えているような人
 バスケットボールが好きだとか競技をやってた人じゃない方が私はいいと思って。
 シナジー(相乗効果)のあるような人材を採るようにしている。」
島田さんは
クラブが稼げる力を着実につけることがリーグ全体の底上げにもつながっていく
と考えている。
(千葉ジェッツあばし 島ア慎二会長)
「千葉ジェッツを取り巻く全ての人たちとともにハッピーになる経営理念。
 ファンや皆さんがハッピーになる幸せになること。
 まだまだ可能性は高いと思う。」


 

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アメリカ人が見た福島の“いま”

2019-11-12 07:00:00 | 報道/ニュース

10月23日 NHK[おはよう日本」


昨年度 福島第一原発を視察した人は1万8,000人余。
2年前に比べ倍近くに増えている。
福島県も被災地のありのままを見てもらおうと
ポープツーリズムという取り組みを進めている。

9月中旬
ロサンゼルスに住むアメリカ人など20人が福島を訪れた。
福島県の観光協会は3年前から
原発事故の被災地の現状を知ってもらおうというツアーを企画している。
そしてこの秋
アメリカに住む日本人からの依頼で初めて海外からの団体客を受け入れることになった。
一行は福島県内を5日間かけてまわる。
まずは福島第一原発や津波と原発事故に見舞われた浪江町など
そして福島市や会津地方をめぐり
福島のありのままの姿を体験する。
多くの人にとって原発事故の被災地をめぐるのは初めての経験である。
(ロサンゼルスから参加)
「原発や福島の食べ物・飲み物が少し不安。」
車窓の風景を熱心に撮影していたのはオースティン・オーガーさん。
ロサンゼルスで映像作家として活動している。
原発が爆発する映像を見てショックを受けたというオーガーさん。
いまも当時のままの姿なのか
“自分の目で確認したい”と参加した。
(オースティン・オーガーさん)
「アメリカ人は今も福島に来るのは非常に危険だと思っている。
 当時の情報しか知らないから。
 百聞は一見にしかずなので
 今の福島を自分の目で見てみたい。」
2日目バスは帰還困難区域に入っていった。
今も住民の立ち入りが厳しく制限されている。
「右手のゲームセンター
 壁が崩れ落ちて中が見えている。」
「この辺りは人が住んでないのね。」
「禁じられているの。」
オーガーさんも黙ってカメラの先を見つめていた。
福島第一原発に到着。
構内では廃炉に向けた作業が行われていた。
汚染水を処理した後の水は今も増え続けている。
次に見えてきたのが水素爆発を起こした1号機の原子炉建屋である。
線量計の値も変化する
原発事故との戦いの最前線を目の当たりにした。
(オースティン・オーガーさん)
「近くで見られて本当に勉強になった。
 建物の多くがひび割れたままとは知らなかった。」
地元の人たちは“今の思いをぜひ知ってほしい”と考えていた。
浪江町で暮らしていた岡さん。
津波と原発事故に見舞われた。
「目の前に津波が来て逃げられなくて。
 国道が津波でたくさんの死体が上がり通れなかった。」
震災が発生したときの街の様子を描いたアニメ。
原発事故が起きて
行方不明者を探すこともできずに非難を強いられた“無念”の思いが描かれている。
いま岡さんの願いは街に賑わいを取り戻すことである。
去年かつての自宅をカフェに改装。
街の人の憩いの場いようとしている。
「カフェはみんなが元気になる場所。
 泣いてばかりいたらに進めない。
 前に進むために。」
(オースティン・オーガーさん)
「つらい経験をしたのに
 みんなの涙を消し去るために素晴らしい場を作れるなんて
 本当にすごいことだと思う。
 地域の再生を目の当たりにした。」
地元の人たちとの交流を深めたアメリカ人たち。
福島に対する印象も変わっていったようである。
(ロサンゼルスから参加)
「福島に対して大いに誤解があると分かった。
 みんなに福島に直接来て自分たちの目で見るよう勧めたい。」
オーガーさんも行く先々で地元の人に声をかけ話を聞いていた。
これらの映像をドキュメンタリーにまとめ発信することにしている。
(オースティン・オーガーさん)
「人々の前向きな部分を撮影したいんだ。
 原発もすごかったが
 福島の人々は本当にすごい。
 それをなんとか伝えたい。」

 

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ボリビア大統領選挙 選挙戦から見える“実情”

2019-11-11 09:00:12 | 報道/ニュース

10月18日 NHKBS1「国際報道2019」


南米大陸のほぼ中央に位置するボリビア。
10月20日に行われる大統領選挙の有力な候補は
現職のモラレス大統領と
野党のカルロス・メサ候補。
今回の選挙では
ボリビアのみならず中南米諸国の多くが抱えている
ある根深い社会問題が大きな焦点である。
2人の候補が力を入れていることは女性票の獲得である。
街のいたるところにある両候補の選挙看板は
いずれも女性と一緒に写っているものばかりである。
今回の選挙は女性への差別や暴力への取り組みが大きな争点になっているからである。
今年に入って男性の暴力により殺された女性は94人にのぼる。
地元の新聞には犠牲となった94人の名前が並んでいる。
記事では
“女性への差別や暴力をなくすことが新しい大統領に求められている”と訴えている。
2人の候補者も
“現状を変えられるのは自分だ”と訴えることで
女性票の獲得に躍起になっている。

ボリビアでいま注目の劇団。
女性差別を題材に
実際に被害者から聞いた話を上演している。
暴力にあったり
家事を強要されたり
若い女性の誘拐。
男性優位の伝統的な考え方が根強いボリビアでは
女性に対する暴力が日常化している。
(劇団代表)
「ボリビアでは女性への暴力や殺害事件が多く
 処罰されないケースもたくさんあります。
 私たちの演劇を通じて考える場を提供し
 社会に変化を起こしたいと思っています。」
被害女性の受け皿となっている支援団体。
運営するラジオ番組では
弁護士が毎日リスナーに女性差別の撲滅を訴えている。
(弁護士)
「リスナーの皆さんも
 ボリビアの全国民も
 この問題を強く懸念しています。」
ラジオを聴いて弁護士のもとに相談に来る女性も後を絶たない。
(相談に来た女性)
「いとこにレイプされました。」
「義理の父にレイプされました。
 でも家族は見て見ぬふりでした。」
今年に入って9月までに警察の寄せられた暴力事件は3万2,000件。
その90%が男性による暴力である。
警察も動き始めた。
11月から運用予定の女性専用の暴力通報アプリ。
暴力を振るわれた際アプリのボタンを押すと
パソコンに位置が表示され
近くにいる警察官が駆け付ける。
1日400件程度対応できる体制を整えているという。
(警察官)
「警察に駆け込んだ被害者にアプリを提供します。」
大統領選挙の代の焦点も英差別の問題である。
(モラレス大統領)
「20日の投票で足を見捨てないでほしい。」
再選を狙う現職のモラレス大統領。
今年8月 女性への暴力に抗議するデモ行進にモラレス大統領の姿があった。
さらにフェイスブックで動画を公開。
(モラレス大統領)
「両親は幼い頃から私に教えてくれた。
 女性を殴ってはいけないと。
 女性に対する暴力に終止符を打とう。」
モラレス大統領維持するエステルさん(38)。
2人の子どもを持つシングルマザーである。
いま一番あてにしているのが
モラレス大統領が推し進める貧しい女性向けの支援。
去年から無償の医療保険が始まり
母子家庭は付き、000円ほどの補助金がもらえるようになった。
(モラレス大統領の支持者 エステルさん)
「おかげで前向きに頑張れます。
 福祉や教育など
 家庭にとって最も大切な点で支援してくれるのです。」
一方 対する野党候補の選挙運動。
“モラレス大統領の貧困対策はばらまきだ”と批判するカルロス・メサ候補。
女性の社会進出こそ大事だとアピールしている。
(野党 カルロス・メサ候補)
「政治に参加し暴力や差別と戦い
 平等を築くために女性がいる。
 女性なくしてこの国の未来はない。」
メサ候補の支持者の大半は中間層以上の比較的服な人たちである。
ムリーリョさん(38)は大学卒業後みながあこがれる公務員になった。
しかし昇進できるのは男性ばかり。
待遇で差別を受けているという。
(メサ候補の支持者 ムリーリョさん)
「バラマキは解決になりません。
 新しい大統領には女性の主張や権利と真剣に向き合ってほしい。
 政治の世界や社会で能力のある女性が居場所を持てるようになってほしいのです。」

女性差別はボリビアに限らずう南米の国々で深刻な問題だが
特にボリビアはひどい。
ボリビアは中南米の中でも先住民族の割合が高く
地方中心に伝統的な慣習の中に男尊女卑の風潮が根強く残っているからである。
一方で国連によると
実はボリビアは世界で3番目に女性議員の多い国である。
大統領選挙と同時に行われている議会選挙でも半数が女性候補である。
女性差別が社会問題化するなかで
女性の候補を擁立すれば票が獲得しやすいという各政党の思惑が垣間見える。
それなのになぜ問題の解決につながらないかというと
旧態依然とした男性の意識の問題が大きい。
差別を取り締まる法律ができたとしてもあまり守る意識がないのが現状である。
しかし“女性差別の問題を放置するわけにはいかない”といった国内世論が今まで以上に盛り上がっているのは間違いない。
選挙戦を通して高まった差別解消に向けた機運を追い風に
ボリビアの女性たちを取り巻く環境が少しでも良くなっていくことを期待したい。





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雨訪(あまどい)が一筋の光に

2019-11-10 07:00:00 | 編集手帳

10月17日 読売新聞「編集手帳」

 

あまどい。
そう聞くと、
<雨樋>…民家に必ずある屋根の雨水を流すものを浮かべるが、
同じ読みで<雨訪>なる言葉もある。
『雨のことば辞典』(倉嶋厚・原田稔編著、講談社学術文庫)に教わった。

大雨のあとに知人の家へ見舞いに行くことを、
九州地方でこう呼んだと解説にある。
台風の通り道となる九州では、
お互いを助け合う習慣があったのだろうか。
温かな響きがある。

台風19号で被災した県の地方版を見ると、
多くの人が支援に駆けつけていることがわかる。
千曲川の支流が氾濫した長野県飯山市には約50人のボランティアが集まったという。

今夏甲子園に出場した飯山高3年倉科勇雅さんは言う。
「支えてもらった人たちのため頑張りたい」。
顔に泥を飛び散らせながら、
ぬれた畳を民家から運び出す作業に追われた。
岩手県釜石市ではラグビーの試合が中止になったカナダ代表チームが、
スコップを手に泥をかき出す作業にあたった。
厚情を生活再建の気力に変える被災者の方は少なくないだろう。

災害ごみの処分、
停電、
断水、
朝晩の寒さ…試練の中に一筋の光のように<雨訪>の景色ものぞく。



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タイの街を活性化 ストリートアート

2019-11-09 07:00:30 | 報道/ニュース

10月17日 NHKBS1「国際報道2019」


配電盤を使ったアートや
日本で活躍するタイのサッカー選手 チャナティップ(北海道コンサドーレ札幌)。
色彩豊かなストリートアートが道行く人の目を引き付けている。
バンコク中心部にあるタイの流行の発信地 サイアム地区。
この地域で今年7月から始まったのがチュラ・アート・プロジェクト。
3か月間で50ものストリートアートの作品が誕生している。
このアイデアを出したのは地元のチュラロンコーン大学。
再開発から取り残された古い街並みや建物を魅力あるものにできないか。
都市開発や芸術の専門家たちが議論を重ね
大学が管理する土地や建物に絵を描くアーティストを募集したのである。
(チュラロンコーン大学 芸術学部 スリチャラコム教授)
「私たちが選んだ場所の多くは人目につかない危険な場所です。
 ストリートアートで地域に彩をもたらすことが出来ると思います。」
フライドチキンを扱う飲食店に描かれたのはニワトリをモチーフにしたアート。
店のコンセプトに合う作風を持つアーティストを大学が選んだ。
(飲食店店主)
「『絵が美しい』と言ってくれる人が多く
 客も増えたのよ。」
チュラ・アート・プロジェクトは反響を呼び
さまざまなアーティストから応募が相次いでいる。
広告デザイナーのノラノリーさん。
ストリートアートの魅力は
より多くの人に作品を見てもらえることだという。
(広告デザイナー ノラノリーさん)
「ストリートアートはどこでも貼れるシールのようなもの。
 自分の好きなように描き
 ありのままを伝えることが出来ます。」
この日 作品を描いたのは1年ぶりに復活した劇場の通路。
仲間のデザイナーとともに
スプレーや筆を使って4時間。
壁に現れたのは
“千客万来”の願いを込めた招き猫だった。
(ノラノリーさん)
「招き猫が人を呼び寄せ
 たくさんの客が劇場に集まるように描きました。
 客が来れば
 二度と閉鎖しないでしょう。」
高まるストリートアートブームをビジネスチャンスと見る会社も現れた。
東南アジアで事業を展開する塗料会社である。
タイにはアート用の塗料を製造する会社はなく
アーティストは高い外国製を使うしかなかった。
この会社は
多くの人目に触れるストリートアートには広告の効果があると考え
アート用のスプレーの開発に乗り出した。
肝となるのは
スプレー缶を押したときの圧力に応じ
いかに細やかに塗料が噴射されるか。
アーティストに依頼し実際に絵を描いてテストを繰り返し
この冬の発売を目指している。
(塗料会社マネージャー)
「私たちの製品が多くのアーティストに受け入れられるようになったと感じます。
 世界規模にしていきたいです。」
タイの街並みを彩り始めた数々のストリートアート。
街の活性化とともに
アーティストや企業にも新たなチャンスをもたらしている。



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趙紫陽元書記 “功績の再評価”を

2019-11-08 07:00:00 | 報道/ニュース

10月17日 NHKBS1「キャッチ!世界のトップニュース」


1980年代に首相や共産党トップの総書記を務めた趙紫陽氏。
民主的な政治体制を構築しようとしたが
天安門事件で
民主化を求める学生に理解を示したことから失脚した。
その後 趙氏の功績を再評価することはダブー視され続けている。
その趙氏の生誕から100年。
関係者は
習近平国家主席が権力の一極集中を進める今こそ
趙氏が目指した政治改革が必要だとしている。

河南省の農村部にある趙紫陽氏の故郷。
小さな路地を入ると趙氏の旧宅がある。
いまは地元の人たちによって記念館として整備されている。
生誕100年を祝う垂れ幕が掲げられ
館内には写真が飾られるなど
その功績がたたえられている。
中国メディアに紹介されることはなく訪れる人もごくわずかだが
来訪者からは“国民はあなたを永遠に忘れない”といった書置きが残されていた。
(地元住民)
「趙氏の首相就任当初多くの人が訪れたので
 記念館として旧宅を整備しました。
 彼は改革開放を推し進めました。」
1987年に共産党総書記に就任した趙氏。
改革派の指導者として国内外から期待を集めた。
しかし天安門事件(1989年)で民主化を求める学生に理解を示し
指導部内から批判されて失脚した。
(当時 趙紫陽総書記)
「学生のみんなが提起した問題は
 話し合いで最終的には必ず解決できる。」
その後 北京の自宅で15年余軟禁された末
2005年1月に死去した。
天安門事件から30年となる今年。
趙氏の命日に趙紫陽氏の家に通じる道には多くの警察官が警戒にあたっていた。
(警察官)
「遺族は“取材を受けない”と言っている。
 うそではない。
 本当だ。」
遺族の協力を得て自宅を訪れると
今も趙氏を慕う人が追悼に訪れていた。
(趙氏の長女 王雁南さん)
「父の冤罪は30年も晴らされていない。
 非常に悲しむべきことです。
 本当は名誉を回復すべきだと政府も分かっているはずです。」
趙氏の生誕100年を機にその功績を見直すべきだと訴える人もいる。
元部下の呉偉さん。
政治改革を進めるため
当時 趙氏をトップとした共産党組織で研究をしていた呉さん。
共産党が全ての権力を握る構造は非効率だとして
より民主的な体制を築くための構想案を同僚たちと作成。
その方針は1987年の共産党大会でも採択された。
(元部下 呉偉さん)
「共産党がなんでも監督するのではなく
 行政や企業などがそれぞれ役割を担う。
 趙氏は穏健な手法で徐々に中国を変えようとしました。」
しかし天安門事件で趙氏が失脚すると
呉案がいた組織も“民主化運動を扇動した”と解体された。
(元部下 呉偉さん)
「共産党はこれまで階級闘争だとして意見の合わないものを弾圧してきました。
 趙氏が民主と法治による問題解決を主張したことは称賛されるべきです。」
“趙氏の功績は歴史が評価する”という呉さん。
習近平国家主席が権力の一極集中を進めるなか
今こそ趙氏が目指した政治改革が必要だと
インターネット上で訴えている。
(元部下 呉偉さん)
「改革の歴史を逆行させることは容認できません。
 生誕100年を機に趙氏の改革方針や歴史的な教訓を総括し
 中国の政治をより民主的なものへと転換すべきです。」





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中東で広がるイランの“ドローン操縦戦闘員”

2019-11-07 07:00:02 | 報道/ニュース

10月16日 NHKBS1「国際報道2019」


イランの精鋭部隊 革命防衛隊が
アメリカなどの持っていた高度な軍事用ドローンの技術を獲得して
それを自らの支配下にあるイエメンの反政府勢力や
パレスチナ レバノンの武装組織に提供し
イスラエルなどをけん制している構図がある。

9月に襲撃されたサウジアラビアの世界最大級の石油施設。
世界の原油供給量の約5%にあたる生産が一時停止し
世界に衝撃が走った。
攻撃に関与した18機の軍事用ドローンはイランのものだったと
サウジアラビアは主張している。
これに対してイランは関与を全面的に否定。
ただ低コストで製造できる軍事用ドローンの開発には力を入れてきた。
(イラン革命防衛隊 元司令官)
「イランにとってもはやドロン製造はおもちゃ作りと同じだ。」
イランがドローンの技術だけでなく
それを操る戦闘員まで中東各地に送り込んでいる実態がある。

今年8月
レバノンのシーア派組織ヒズボラが首都ベイルートで大々的な葬儀を行った。
隣国シリアでジハード(聖戦)のため殉教したヒズボラの2人の戦闘員を弔うためである。
亡くなったのはヤセルとハサン(23)の2人。
イランの母国語ペルシャ語でイスラム教の歌を歌う様子がある。
♪ 私は空にはばたくハト
  あなたに懇願するこの姿を見よ
ふたりが生まれ育ったのはベイルート市内のヒズボラの支配地域。
幼い頃からハサンはヒズボラの幹部候補を養成する学校に通っていた。
そのハサンの6歳の時の映像。
僕はハサン。
ヒズボラが運営するマハディ学校に通ってる
学校で知り合い親友となったのがもう1人の若者ヤセルだった。
ふたりを取材した地元紙のアミン記者。
ふたりは優秀な成績で高校を卒業。
ヒズボラの勧めでイランの大学に留学することになったという。
(地元紙 アミン記者)
「ヒズボラは
 優秀な若者に高度な教育を受けさせるために
 奨学金を与えてイランに留学させてる。」
ヒズボラはシーア派の地域大国。
イランと密接な関係がある。
そのためヒズボラの若者がイランに留学することは珍しくない。
ハサンもイランでの留学中に中部のシーア派の聖地を訪れ宗教上の教えを学んでいた。
しかしヒズボラの内情を知るアミン記者は
ハサンたちのイラン留学は勉強や新工場の理由とは別に特別な目的があった
という見方を示した。
(地元紙 アミン記者)
「彼らはイランにただ勉強に行ったわけではない。
 本当の理由は
 イランで高度な航空工学を学んでヒズボラの武装闘争に貢献するためだ。」
対イスラエルでイランと共闘するヒズボラ。
イランから年間1,000億円以上の資金提供を受けていると指摘される。
支援の1つには軍事用ドローンの開発も含まれている。
シリア内戦では専門のドローン部隊を発足させ
実践でその能力を高めてきた。
ハサンたちの留学先はテヘラン郊外にある「イマーム ホサイン大学」だったことが分かっている。
その大学の卒業式の映像では
学生たちは軍服姿で式典にのぞんでいる。
最高指導者ハメネイ師が挨拶の言葉を述べる。
(イラン 最高指導者 ハメネイ師)
「この非常に敏感で重要な施設に参加できることを神に感謝する。」
壇上に並ぶのは革命防衛隊の幹部たちである。
ハサンたちの留学先が革命防衛隊直轄の軍事アカデミーだったことがうかがえる。
この大学の設立に携わった革命防衛隊の元司令官。
大学の目的は最新の軍事技術の向上だとし
ドローンの開発にも力を入れていると明かした。
(イラン革命防衛隊 元司令官 キャナニモガダム氏)
「イマーム ホセイン大学ではドローンの研究や開発が行われている。
 そこでの研究などが実際の戦闘で使われる科学技術の基礎となっている。」
この大学に留学したふたりはイスラエルにマークされていた。
イスラエルはふたりがイランの革命防衛隊が駐留するシリアとイランとの間を行き来し
ドローンを操縦する戦闘員として活動していたとみている。
今年8月下旬 イスラエルはシリアでその姿を追っていた。
複数の人が運ぶドローンのような物体。
ハサンたちが操縦に携わっていたとされている。
(イスラエル軍 報道官)
「2人は宇木曜の夜にドローンを発射しようと試みていた。
 イスラエル軍はその発射を妨害し防いだ。
 だが土曜日に彼らが再び発射を試み
 イラン攻撃を阻止するために空爆した。」
空爆でハサンとヤセルは死亡。
イスラエルは“イランのドローン攻撃を防ぐための自衛措置だった”と主張している。
イランが新たに兵器として支配勢力に提供続ける軍事用ドローン。
中東での拡散が続いている。


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ラグビーW杯 “サポート役”高校教師 一流審判に学ぶ

2019-11-06 07:00:00 | 報道/ニュース

10月15日 NHK[おはよう日本」


ラグビーW杯
選手たちの活躍を陰で支える重要な存在が審判である。
今大会では世界各国から23人の一流の審判が集められている。
今回 大会の組織委員会は
審判たちが試合に集中できるよう
ローカルリエゾン(地元案内役)と呼ばれる日本人のサポート役を全国で9人選んだ。
試合の前後
審判団に付き添って
会場でのアテンドや食事の用意
スケジュールの管理などを手伝う。
このサポート役に選ばれた9人の中の1人が
大分県の高校の先生である。

大分市内 大分東明高校の英語の教師
井餘田智さん(29)。
英語力を生かしてW杯の審判をサポートしてほしいと依頼を受けた。
井餘田さんはラグビー部のコーチも務めている。
3年前に審判の資格を取得したばかり。
W杯で審判を務めるのが夢である。
そんな井餘田さんにとって今回の審判のサポート役は
一流の審判のすごさに触れる大きなチャンスである。
ラグビーの審判は
1試合80分を休みなく走り回り
走る距離が10キロ以上にのぼることもある。
また激しい身体接触で興奮する選手たちを統率して
ゲームをコントロールするのも審判の役目である。
井餘田さんは
体を自己管理するコツや
短い時間で選手から信頼を得る極意を学びたいと考えていた。
(井餘田智さん)
「雲の上の存在の方々で
 技術面であり内面や精神面を学びたいと思います。」
井餘田さんのメモにはすでに
分刻みで審判団をサポートするスケジュールを念密に立てていた。
また試合前日に彼らにリラックスしてもらうため
どんな場所で夕食を撮ってもらうのがいいか候補をピックアップした。
(井餘田智さん)
「外国人がラーメンを好きらしいので
 大分駅周辺のラーメン屋さんをピックアップしている。」
W杯本番の前日
いよいよホテルに来た審判団を出迎える。
翌日の試合の主審のジェローム・ガルセスさん(45)。
2015年の日本×南アフリカ戦の主審を務めたのがガルセスさんである。
日本が歴史的な勝利を達成できたのは
ガルセスさんのフェアプレーを重視する姿勢があったためとも言われている。
さっそく審判団を食事に案内する井餘田さん。
審判団からは“試合前のメディアとの接触を控えたい”と。
井餘田さんによれば
審判団の夕食は両チームの特徴を事前に確認するミーティングのようだったという。
(井餘田智さん)
「両チームのい映像を見ながら
 真面目に話していて。
 食事ひとつにしても細心の注意を払う。
 お酒を飲まないとか
 そういうのもありました。」
試合当日の10月9日 大分スポーツ公園総合競技場。
キックオフの4時間も前に会場に到着した井餘田さん。
このあと控室の掃除や飲み物の用意など
審判団が集中できる環境を事前に整える。
そして午後7時前
主審のガルセスさんの笛で
優勝候補の一角ウェールズとフィジーの試合が始まった。
試合は序盤から両チームが激しく攻撃しあう展開となった。
井餘田さんが強く引きつけられたシーンは
フィジーがトライを決めたように見えた直後のことだった。
ガルセス主審はゲームを止め
トライの前の状況について副審とビデオ判定室に情報を求める。
このとき二つの反則が連続していた。
ウェールズの選手が相手に危険なタックルを行ったあと
フィジーの選手が前へパスを出す反則を行っていたのである。
ガルセスさんはその時の状況を短い言葉ですばやく確認する。
そして両チームのキャプテンを呼んだガルセスさん。
選手の気持ちをしずめつつ反則の内容を簡潔に説明する。
(W杯主審 ジェローム・ガルセスさん)
「赤(ウェールズ)の2番による危険なタックルがあった。
 そしてフィジーのトライも取り消します。
 フィジーにペナルティキックの機会を与え
 ウェールズにはイエローカードです。
 安全上の問題です。」
(ウェールズ主将)
「あれが危険だったと?」
「そう危険だった。」
状況を冷静に分析し
公平な判断で両者を納得させる。
フェアプレーを重んじるガルセスんの真骨頂である。
(W杯主審 ジェローム・ガルセスさん)
「審判は選手と関係を築くこと。
 ゲームを持続させていくことが大事なんだ。
(井餘田智さん)
「チームワークでAR(副審)TMO(ビデオ審判)と連携をとって判定するところ。
 自分の目に見えるものを信じて力強く笛を吹く判定をするところ。
 あのあたりが一流なのかな感じました。」
翌日 次の試合に向けて大分を後にする審判を見送った井餘田さん。
審判たちから次々にエールの言葉をもらった。
(W杯副審 カール・ディクソンさん)
「審判に重要なことは相手とユニケーションをとること。
 相手の立場に立って十分に敬意を払うこと。
 もちろん自分自身も試合を楽しむこと。
 これからも審判を目指してがんばってほしい。」
(井餘田智さん)
「審判たちと接してみて
 裏の努力というのが大事なんだと感じました。
 思い出ということで
 最後にメッセージやサインとかいただいて
 この一冊が自分の今回の宝物。」

 

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台風が人々の思いをなぎ倒していく

2019-11-05 07:00:02 | 編集手帳

 10月13日 読売新聞「編集手帳」

 

もとは南宋の詩人、
陸放翁が
綴つづった言葉なのだという。
病床にあった秋の日、
酒の酔いに乗じて筆を走らせた。
その勢いを自らの詩の中で「青天、
霹靂へきれきを飛ばす」と表した。

青い空に突如鳴り響く雷鳴、
転じて思いがけず起こる突発的な事変を指す。
雷が鳴ろうが
槍やりが降ろうが、
ピッチに立たせてくれ。
選手たちは心底願ったに違いない。
台風19号の影響でラグビーW杯の試合が中止となった。
9回を数える大会で初めての措置である。

安全を考慮すれば当然の策だろう。
けれど絞り出された言葉に胸が痛む。
「この辺りの公園でもよかった。
 ラグビーができればどこでもよかった」。
身長196センチ、
体重108キロ、
イタリア代表を引っ張るパリセ主将は、
記者会見でうなだれていたそうだ。
中止で決勝トーナメントへの道が断たれた。

イタリアは先月22日の初戦でも雨に見舞われた。
試合後、
スタンドに深々とお辞儀をした理由を「最後まで見てくれた観客への感謝の気持ちだった」と語っていた。

決戦を前に開催地の児童らがイタリアの国歌を選手に披露したとも聞く。
人々の思いをなぎ倒していく台風がつくづく恨めしい。

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インドで加速する脱プラスチック

2019-11-04 07:00:00 | 報道/ニュース

10月10日 NHKBS1「国際報道2019」


ユニセフ国連児童基金がインドの人たちに向けて作った公衆衛生の啓発ポスター。
落ちているごみが少なく川もきれいな状態を目指そうと呼び掛けているが
実際にはインドでは
長年ゴミのポイ捨てやトイレの普及の遅れなどによって生活環境が汚染されてきた。
そこでモディ首相は2014年に就任したときから
「きれいなインド」を重点政策として掲げ
国を挙げて改善に取り組んでいる。
そして最近では3年後の2022年までに
プラスチック袋などの使い捨てプラスチック製品を全面的に禁止するという
大胆な環境保護政策を打ち出した。
こうしたモディ首相の方針を先取りして
インド西部の州では去年6月からすでに使い捨てプラスチックの全面禁止に踏み切った。

人口の急増や経済成長に伴いあふれ出るプラスチックごみの対策に追われているインド。
モディ首相は
9月国際会議で各国の代表を前に
使い捨てプラスチックを禁止する方針を示した。
(インド モディ首相)
「インドは今後 数年で使い捨てプラスチックを廃止する。
 世界も使い捨てプラスチックに別れを告げる時が来ている。」
インド西部の町ムンバイ。
人口約2千万人が暮らす巨大な商業都市である。
ムンバイを含むマハラシュトラ州では
去年6月からいち早く
全面的に使い捨てプラスチックを禁止する措置をとっている。
カフェのストローは紙製。
規制の対象となっているのは
レジ袋やスプーン・フォークなどの食器
小さいペットボトルなど
使用だけでなく製造も禁止である。
1回目の違反で5,000ルピー
日本円で8,000円近い罰金が科せられる。
違反が3回以上になると罰金が5倍になり3か月の禁錮刑も科せられる。
禁止後は布製のエコバッグを持つ人が増えるなど
市民の間に環境対策への意識も芽生え始めている。
(市民)
「排水溝にプラスチックごみがつまると水があふれ家が水浸しになることも。
 布の袋を持って歩くのは当然のことです。」
「神聖な牛がプラスチックを食べたら大問題です。
 プラスチックが禁止されてよかったです。」
またプラスチックを拾うイベントもインド全土で定期的に行われている。
この日ムンバイの大学で開かれたイベントには900人超が参加した。
(大学生)
「こんなに大量のプラスチックごみが出てきて驚きました。
 私たちの世代がプラスチックの削減とリサイクルを進めることが大切です。」
一方 規制の徹底は容易ではない。
市場にある果物を売る店。
人気商品は新鮮なパイナップル。
州の規制では
食品を包むプラスチック製の袋は厚手のものに限られている。
耐久性が高くリサイクルしやすいからである。
ところが今も禁止されている薄手の袋を使う店が少なくない。
店主の1人は
厚手の袋は値段が高く
できれば使いたくないと訴える。
「許可された袋は高くて
 我々が買える範囲を超えています。
 禁止するのはいいですが
 その前に代わりをどうするか決めるべきです。」
施行から1年余。
業界団体は“プラスチック製品の全面禁止は現実的ではない”と訴えている。
(インド小売業協会 CEO)
「すべてのプラスチックが禁止されたら
 コストへの打撃は想像もつきません。
 今のところ代替品がないからです。
 プラスチックの適切な使用法と処分法を社会全体で整えるのが正しい解決策です。」
プラスチックごみとの戦いに乗り出したインド。
しかしそこには
手放しがたい便利さや手軽さという壁が立ちはだかっている。







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