アメリカ合衆国 史上最大のスキャンダル
イラク戦争を巡る巨大な謀略。兼直に立ち向かったCIAエージェントの孤高なる戦い。
評価:→70点
二大俳優の共演ということだけで、事前にチェックもせず鑑賞した作品。何と実在する人物の物語でした。
イラクに大量破壊兵器が隠されているというアメリカのブッシュ政権が告発したことは、この作品以外にも題材とされていました。
結局のところ、大量破壊兵器は存在しなかったんですが。存在しなかったことを告げたばかりに、ブッシュ政権に裏切られた元CIA女性工作員のお話。
左の方がそのヴァレリー・プレイム・ウィルソンさん本人。右はヴァレリーを演じたナオミ・ワッツ。
ヴァレリーさんの原作を元に、ダグ・リーマン監督が映画化。社会派ドラマなので、面白いものではありません。気軽に映画を楽しみたい方にはちょいとしんどいかもしれません。
CIA諜報部員 ヴァレリーの夫は元ニジェール大使のジョー・ウィルソン。ジョンには、あのショーン・ペン。
まあ凄いご夫婦です。
正直、私も映画を楽しみたいという部分もあり、そういう意味で、ちょっと複雑なところもり、ちょっとしんどかったです。主演お2人が大好きな俳優さんなので、それが目当てだったもんで、、、、。ちょっとうつらうつら状態でしたが(笑)
睡魔に襲われると分からなくなりそうなので、かなり と格闘しながらの鑑賞となりました。
CIAの諜報部員という仕事は本当に大変ですよね。身近な人にも身分を隠さなければならないという辛い状況。とにかく身分を明かさないように細心の注意を払いながらという生活はどうもね。
言葉や会話ひとつにしても考えないとどこでどんな風にばれてしまう恐れがあるわけですから。
まさに綱渡り状態といった感じですね。
さてあらすじはMovieWalkerより・・・。
2001年9月11日の同時多発テロ以降、アメリカのブッシュ政権はイラク政府が大量破壊兵器を密かに保有し、世界にテロを“輸出”する「悪の枢軸」のひとつだとして、世論を動かしながら攻撃準備を進めていた。極秘にこの疑惑を調査していたCIAの秘密諜報員ヴァレリー・プレイム(ナオミ・ワッツ)は、潜入捜査の末、イラクに核兵器開発計画がないことを突き止める。
一方、ヴァレリーの夫で、元ニジェール大使のジョー・ウィルソン(ショーン・ペン)も、国務省の依頼でアフリカ・ニジェールへ赴く。イラク政府が核兵器開発に必要な濃縮ウランを密かに買い付けているとの情報の真偽を確認するためだ。そして彼もまた、イラク政府によるウラン購入の事実はないとの結論に達する。
だがブッシュ政権はヴァレリー夫妻の報告を無視、2003年3月20日、イラクへ宣戦布告する。4ヶ月後、ジョーは自身の調査報告を元にイラク戦争の真実をニューヨーク・タイムズ紙に寄稿、ブッシュ政権を揺るがす大論争を巻き起こす。核兵器開発計画が最初から存在しないならば、イラク戦争を始めたブッシュ政権の正当性が疑われかねない。
ところがその直後、ワシントンの有力ジャーナリストたちに、ヴァレリーがCIAの秘密諜報員だという情報がリークされる。情報漏えいを指示したのは、チェイニー副大統領主席補佐官のルイス・“スクーター”・リビー(デヴィッド・アンドリュース)だった。
ルイス・“スクーター”・リビー
暴露されたヴァレリーは身分だけでなく、私生活まで脅かされることに。
結局、ヴァレリーは父親の元に身を寄せることになる。
ジョーは公の場で事実を明かし指示を求める。
身分を暴露され、たちまち世間の好奇の目に晒されるヴァレリー。家族や各国に散らばる協力者にも危険が迫り、彼女のキャリアと私生活は崩壊し始める。匿名で送られてくる脅迫状や無言電話、容赦ない世間の中傷……今まで証券会社勤務だと偽っていた彼女から友人も離れていった。ジョーは、メディアに自身の正義を論じるが、ヴァレリーは沈黙を貫く。公の場で事実を明かすべきだと言い募るジョーと対立し、唯一の安らぎの場所だった家庭さえもが崩れ落ちそうになったとき、彼女はいつも温かく見守ってくれた両親のもとへ向かう。家族との穏やかな時間を過ごす中、大切なものとは何か気付いたヴァレリーは、自らの名誉と家族を守るため、強大な国家に戦いを挑むのだった……。
相手が国だけに大変だが、、、、。
ところでヴァレリーが協力を得たイラク人であるあの女性はあの後どうなったんでしょうね。国家に挑戦を挑んだヴァレリーは汚名を晴らすことできたようだけど、、、、、。
ということで、この物語はあくまでもヴァレリー・プレイムとジョセフ・ウィルソン合同による原作本をもとに映画化されているので、どうしても登場したイラク人のその後は描かれていませんから。一体彼女や彼女の兄妹、家族のいく末がとても気になりました。
ヴァレリーご本人と監督。
撮影風景
メディア | 映画 |
上映時間 | 108分 |
製作国 | アメリカ |
公開情報 | 劇場公開(ファントム・フィルム=ポニーキャニオン) |
初公開年月 | 2011/10/29 |
ジャンル | サスペンス/ドラマ |
映倫 | G |
解説(allcinemaより)
夫がイラク戦争開戦を巡るブッシュ政権の欺瞞を告発したばかりに、政権内部からCIAエージェントであることを暴露され命の危険にさらされる事態に直面した女性とその家族の孤高の戦いを描く実録ポリティカル・サスペンス。危険な任務に当たるスパイの情報が、自国の政府によって意図的に漏洩されるというアメリカ中を騒然とさせた前代未聞のスキャンダルの真相を、当事者であるヴァレリー・プレイムとジョセフ・ウィルソンの回顧録を基に忠実かつスリリングに再現していく。主演は「マルホランド・ドライブ」「ザ・バンク 堕ちた巨像」のナオミ・ワッツと「ミスティック・リバー」「ミルク」のショーン・ペン。監督は「ボーン・アイデンティティー」「Mr.&Mrs. スミス」のダグ・リーマン。