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子どもは本来、自分の中に回復力をもっています。これは、困ったことや悩みに出くわしても、自分の気持ちに整理をつけ、心や気持ちのもち方を回復する力をもっているということなのです。
ですから、おとながとくに思春期の子どもに対して、「待つこと」が非常に大切になります。
たとえば、わが子が友だちをいじめていたことがわかり、その解決をはかるために、おとながかかわっていくときなど、この回復力を引き出すためには、「待つ」姿勢が求められます。
ただし、待つときには、おとなは寄り添う態度、つまり「心配しているよ」という気にかけているというメッセージを発することが不可欠です。
おとなの「待つ」という態度が子どもを支え、「自分は放ったらかしにされていない」、「私が考え、どのように行動するかに任してくれているのだ」と子どもが思えることで、その子は前を向いて問題を解決していこうとします。
また、待って見守るだけではなく、子どもが考えることができる材料を示すために、おとなが話を聞かせたいのなら、親が子どもに「○○すべきだ」という結論ありきの話をするのではありません。
おとなはまず、子どもの思いを聴くことに徹するべきです。そのあと、「こう思うよ・・・」と話すならば、おとなの話は子どもの中に入っていき、子どもは自分を見つめ、深く考えることができます。