箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

ありふれた日常の中から

2015年11月25日 19時00分58秒 | 教育・子育てあれこれ

 
小さな靴が玄関においてある
 満二歳になる英子の靴だ
 忘れていったまま二ケ月が過ぎていて
 英子の足にもう合わない
 子供はそうして次々に
 新しい靴にはきかえてゆく

 おとなの 疲れた靴ばかりのならぶ玄関に
 小さな靴はおいてある
 花を飾るより ずっと明るい

(高田敏子「小さな靴」)

高田敏子さんは、孫の英子が忘れていった靴を詩の題材にしています。

日常のありふれた出来事で、わたしたちが見過ごしてしまいそうな事実を詩にされています。

ありふれたことを詩で表し、かつ「くたびれたおとなの靴」と、見事に対比させ、愛おしい孫への情をメッセージにしています。

また、孫という言葉を使用せず、「英子」としているのは、祖母にとって、ただただかわいい子ではなく、一人の独立した人格として認めているのかもしれません。

わたしたちがありふれたことを、当たり前のこととせず、当たり前のことの中にどのような本質を見るか。このことを考えさせられる詩であると、わたしは思います。