映画監督の山田洋次さんが、その書籍のなかで、「人間的に値打ちのあるものは、めんどくさいこと」
と言っていました。
こう続けています。
「私はよく人間的に値打ちのあるものは、みんなめんどくさいことでないかというふうに思うんですけれどもね。
恋愛なんかは、じつにめんどくさいゴチャゴチャしたことだし、本来、教育なんていうのは、いちばんめんどくさいことでなければならない」
教育がめんどくさいのは、いつも人と人のかかわりあいの中で行われる活動だからです。
私がブログの中で書いている、思春期の子どもとのかかわり方を読まれている人は、じつにめんどくさいことを言っていると、お考えになる人もいるでしょう。
ここまで、子どもに気を遣い子育てしないといけないのか、と思うかもしれません。
しかし、このめんどくさい活動を通してこそ、子どもが人間として成長していけるのもまた事実です。
子どもは、一人ひとりちがいます。考えかた、性格、願いや思い、ものごとの受け取りかたなど、一人としてまったく同じ子はいません。
ある子どもには通じた言葉が、別の子がちがった受け取りかたをすることもしょっちゅうです。
多感な時期の子どもの心は柔らかく、少しの言葉にも、敏感に反応してくれます。
ですからめんどくさいのですが、このめんどくささを楽しめるようになったら、しめたものです。
子育てや教育が楽しくなってきます。