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石橋から梅田へ阪急電車で行くとき、私はたいてい「急行」に乗ります。
すぐに梅田に着きますが、ごくたまに「普通」に乗ります。
普通列車の車窓から、景色を眺めていると、高校生の頃に友だちと遊んだ頃のことを思い出します。
豊中の三角広場で、友だちと待ち合わせたこと。
YMCAに行くために、下車した岡町の駅。
庄内西町の商店街にあった店のこと。
三国の駅前にあって、よく遊びに行った友だちの家は、あそこにあった。
でも、その家はいまはもうない。
青春が蘇る。
物事がスムーズに運んでいるときは、「急行」に乗っているようなものです。
梅田には早く着きますが、風景はあっという間に過ぎ去り、よく見えません。
「普通」は、スピード感はないですが、その分、風景はじっくり見えます。
たまには、「ゆっくり」もいいものだ。
転じて、弱っているときにしか、見えないものがあります。調子のいいときには、飛ばしてしまっているのです。