わたしが大学の頃、英語のディスカッションをさしていたとき、riskという言葉に出会いました。
その当時、リスクという言葉は珍しい単語だったのを覚えています。
ところが、いまでは一般化しました。
組織では、リスクマネジメントとか危機管理体制を整えることが重要になります。
また、自然災害が多発するようになった最近では、思いもかけないリスクに直面することも増えてきました。
たとえば、わたしが校長在任中の2018年9月3日の台風21号では、学校で夜に待機していると、隣接する小学校のポプラの大木が強い烈風に煽られ、中学校の敷地内に倒れ込みフェンスをなぎ倒しました。
さらに翌朝、校舎屋上にあがると、コンクリートの表面を覆っていたゴムラバーははがれ、太陽光パネルは歪み、破損していました。
このようなリスクや危機はコントロールのしようがないです。
ただ、もし生徒がいるときに地震など自然災害が起きたときには、適切な避難行動が取れるように準備しておくというリスク管理は問われます。
世の中はリスクを避ける方向になびいているのが今という時代です。
かといって、リスクは管理したり、避けることが最善かというと、リスクもさまざまであり、絶対に避けるべきものもありますが、あえて取らなければならないリスクもあります。
とくに中学生の場合、おとなになるためにはチャレンジしなければならないことに伴うリスクには、受けて立つようなことが必要なこともあります。
みずから変化を求め、果敢に挑戦していく態度があれば、成長・発達を望むことができます。
リスクは思いもよらないところにあります。リスクを避けようとする慎重さが、逆に課題解決を遅らせ、変えるべきことを変えないままに過ぎていき、それがより重大・深刻なリスクを生むことになるのです。
これから、予測不可能な社会で生きることになる、今の中学生はチャレンジを恐れない人になってほしいと思います。