今は教員が不足する時代です。
今年度、小中学校のおよそ2割で4月当初に欠員が出ているという報告もあります。
もちろん各自治体の教育委員会の教職員人事関係部署は、必死に教員を探しますが、なかなか見当たらないことが頻発しているのです。
教員の中でも、教諭は確保できても、講師がなかなか見つからないのです。
もちろん、それ以降見つかり配置されることもあるのですが、年度当初の授業ができない、別の役割の教師を臨時的にあてるなどの影響がでています。
そのような事情もあり、文科省は今、教師の待遇を改善しようとしています。
現状では、教員の時間外勤務には手当はつきません。
その代わりに、(代わりにはなりませんが)給料月額の4パーセントの「調整額」を一律に上乗せして、時間外手当を支払わないというルールが法律で決まっているのです。
この法律は教員給与特別措置法(給特法)といいますが、今回改定して調整額を10パーセントにまで引き上げる案が浮上しています。
この4パーセントに定めた根拠は、1970年代当初に時間外勤務の月平均が8時間だったことに基づいています。
しかし、学校が多忙化して、いまや小中学校で月40時間〜60時間程度が平均になっているという事情があります。
その変化に合わせ、調整額を見直そうとするのが今回です。
待遇改善で、教員のなり手が増え教員不足が解消するかといえば、一定の効果はあるでしょう。
しかし、現状では「教員になりたくてなったけれど、わたしには向いていないことがわかりました」と退職する人に会うことがあります。
そうなると、給料だけではない、学校の職場のしくみの問題、過酷な実態があると、わたしは考えています。