学校に登校できない子、登校しにくいという不登校について、国(文科省)は全国の学校に不登校調査を毎年行なっています。
それは、「問題行動・不登校調査」というものです。
このたび、文科省は不登校の要因について学校側の過半数が「無気力・不安」と回答していることを問題点として、調査項目を見直すというアナウンスをしました。
文科省がいう根拠は、児童生徒の思いと教員の認識のズレているから見直すというものです。
たとえば、不登校の理由を、いじめとしている児童生徒と比較して、教員はそう考える程度が低い。教師への反抗・反発と答える児童生徒側の捉え方と比較して、教師側はその認識が低い。
学校が事実に即して答えているのではなく、主観に基づき回答しているからということです。
しかし、この根拠にわたしは疑問を感じます。
わたしは、教育課題の答えは常に現場にあると考えています。
だから現場の教師が、自らの現場感覚で答えたものには、一定の信頼性があります。
そもそも、児童生徒の心情は揺れ動くもので、「何があなたの不登校の理由ですか」と問われたとしても、本人自身にもわからないことが多いのです。
なんとなく学校が落ち着かない、安心できない、意欲がわかないというのが、児童生徒の実感であることがしばしばあります。
そのように、竹を割ったようにスッキリとしない状況が、不登校問題の本質であることが多いのです。
それを、学校は「無気力・不安」と表現して回答しているのです。
教育行政は、こと児童生徒に関わる問題であるので、学校側が出してくる回答を「主観で答えている」とせず、尊重すべきです。