街中の書店が激減しています。
今はネット空間にたくさんの多種多様な娯楽が広がる時代になっています。
ですから、街の本屋・書店が姿を消すのは時代の流れなのかとも思います。
そもそも、ふつう人びとが必要とするサービスは、市場または行政が提供します。
商売として儲かるものなら、民間の事業者が手を挙げます。
儲けにならなくても、議会が必要と認めれば、予算をつけて役所がなんとかするのです。
しかし現実には、多くの人がが必要としていながらも、市場や行政がカバーできないものはたくさんあります。
街の書店がそれに該当すると思います。
そして、書店がなくなってわたしのように寂しく思う人はけっして少なくはないと思います。
なぜ寂しく思うのでしょうか。
人間にとって本は、社会と自分をつなぐジョイントなのだと思います。
過去に誰かが考え導き出したことが、本を媒介として、時間も場所もとびこえて社会に循環していくのです。
その循環の中に身を置くことで、自分は社会に存在していると安心できるのが人間なのではないでしょうか。
街の書店は、その大事なつなぎ目のひとつなのです。
そこで、いま「シェア型書店」が始まっています
店内の本棚を1個ずつ貸し出し、貸し出された人は「箱店主」になり、各々の箱店主は自分が選んだ本をライブラリーとして並べます。
書店という空間に価値を見いだす人が、少しずつ労力や負担を分担し、運営に参画していく自治活動です。
このように、自分たちにとって必要なものは、自分たちでつくるという実践が国内でいま始まっています。
書店という枠組みを超え、人が社会とつながる可能性を見ることができます。
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