箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

起立性調節障害の子どもを理解する

2024年09月05日 09時51分00秒 | 教育・子育てあれこれ


中学生の中には、起立性調節障害(OD)と言われる病気を発症する生徒がいます。
 
思春期に現れやすく、朝や午前中に血圧が上がらず、なかなか起きにくいのです。

体がだるく、たちくらみを感じて、学校に行けなくなる場合も多く、不登校にもなりがちです。

人によりますが、午後からは血圧が上がり、体調がよくなることもあります。

ですから、わたしは教頭・校長在任中に、始業時刻には間にあわないけれども、体調がよくなって午前中遅く、または午後から保健室に登校してきた生徒に対応していました。

午後に比較的元気そうなようすを見た人は、起立性調節障害の理解がない場合、登校できないのはサボリでないかと誤解することもしばしばです。

朝起きれないつらさは、本人がいちばんよく知っています。教育関係者としては、そのつらさ、しんどさを知ったうえで、その思いに寄り添う態度が求められます。

思春期を過ぎる頃には、症状がかなり改善されることも多いようです。

ただ、中学生期は症状がいちばん重い時期に重なることが多く、高校進学の際には、朝に起きれない状況を考慮して、単位制高校や通信制高校、フレックスタイムの高校を選ぶことも多くあります。

家で、得意なことに集中して取り組む生徒もいます。

たとえば、色鉛筆を駆使して、独自の手法で立体的な絵を描き、SNSにあげると、1万件ちかく「いいね」がついて、自信を深めた生徒の例があります。

学校に行けず、友だちにも会えない日が続き、しんどいときでも、好きなことに没頭でき、
多くの人にみてもらえるのは、大きな励ましになります。

起立性調節障害の生徒は、一にも二にも、親御さんや教員をはじめとする、周りの人の理解が不可欠なのです。