夏休みの長期休業があける9月頃は子どもが不登校になりやすい時期です。
また、自殺児童生徒が増える時期でもあり、高校生を入れて、510人以上(2023年度)という少なくない数になっています。
児童生徒の多くが学校にもどるなか、登校できない子は苦しみます。
登校するのも、しないのもいまは選択肢の一つ。
このようにふっきれた心境になるならいいのですが、多くの子は行けない自分に後ろめたさを感じたり、自分を否定することも少なくありません。
親もわが子が不登校になると、「自分の育て方がよくなかったのか」と自分を責めることに、なります。
「普通に学校へいってくれればいいだけなのに」
「このまま大人になったら、社会でやっていけないのでないか」
「家に子どもがいることをとなりの家の人がどう思っているか。世間体が気になって」
このように、親は「普通」や「世間」というまなざしに苦しみます。
じつは、その親の苦しみを知る子どもは「わたしが学校にいけないから」と、同じく自らを責めるのです。
将来のことを考えると心配になるという親の不安は無理もないです。
しかし、子どもは将来や未来を生きているのではなく、現在を生きているのです。
親としてできるのは、子どもが自ら動き出そうとする環境を整えることなです。
また、「なぜ学校へいけないの」と親は子に突き詰めます。
しかし、多くの不登校の子は自分でも学校に行けない理由がわかりません。自覚できないイヤなことが蓄積されているからです。
まずは、じっくりと休むことをよしとし、言語化できない思いに寄り添うことが必要です。
大人のまなざしが否定から肯定に変わったら、子どもは自然に気がつきます。
そうすると心に意欲が芽生え、自分のペースで歩き始めます。まずは心の中に「休んでも大丈夫」という畑を耕します。