イギリスの哲学者ジョン・ロックは、教育心理の分野では、17世紀に経験論を唱導しました。
「人間の知識は経験に由来する」という考え方です。
その思想を表す彼の言葉が、「私たちの知識は、すべて経験に基づくものであり、知識は結局のところ、経験から生まれてくるものである」です。
何かにチャレンジしたり、新しいことをしてみたりして、そこから実体験として得られる知識は豊かで強いのです。
また、それは自分で行動してみて得られた自分ならではの経験と知識なのですから、すぐに自分の人生に役立てることができるのです。
学問で書物を読んで知識を得ることも大切ですが、いろいろなことを実際にやってみて、そこから得られる体験を通しての知識も大切にする学習が学校教育で行われる「体験学習」です。
ただし、体験するだけで放っておくと、知識にはなりません。
Do(実行する)→Look(観察する)→Think(考える)→Grow(成長する)というサイクルの学習を通して、経験はいかすことのできる知識となります。
子どもの身になって考えてみます。
子どものthinkには大人(教員)からの働きかけが必要になる場合があります。
つまり、「今回の体験は、こんな意味があるのでないかな。・・・・・」と、子どもが深く考え、気づきを促す手助けをするのです。
これを「体験の意味づけ」といいます。
そして、学んだことが、人間のもつ知識として蓄えられ、子どもの成長となっていくのてす。