2002年度から始まった、学校教育でのいわゆる「ゆとり教育」は、詰め込み教育に反対していた有識者から支持されていました。
同時に長年続いた午前中に授業があった土曜日を学校の休みの日にした、完全学校週5日制も実施されました。
しかし、学力が低下したという教育関係者からの厳しい指摘は学習指導要領の見直しを文部科学省に迫りました。
そして2011年度以降には、脱ゆとり教育の流れを受けた学習内容を増加させる学習指導要領が施行され、現在に至っています。
その間、教科書は雪だるま式に分量が増えてきました。
2024年度に小学校の主要4教科で教科書の平均ページ数(A5判換算)の合計を2002年度と比較したところ2・7倍に増加しています。
中学校の国語、社会、数学、理科、英語の5教科でも1・8倍に増えています。
その増加は、現在文科省が重視している、児童生徒の思考力・判断力・表現力の育成と無関係ではありません。
しかし、教科書の分量増は教員の負担につながるという指摘を踏まえ、今回の改定(2030年度から実施)には、授業時間の5分短縮とあわせ、教科書の適正な分量の検討も中央教育審議会で行われていきます。
授業時間の短縮と教育内容の削減は併せて行われるべきであり、教科書の削減も教科書会社の努力が求められます。