今回の話題は、中学校数学の授業です。
結論を先に言えば、日本の数学教員の授業での発問は質が高く、説明が深くて、詳しいということが明らかになりました。
そのことは、OECD(経済開発協力機構)が、学校の授業の様子を録画し、分析をした結果からわかりました。
調査に参加した国は、日本、イギリス、チリ、ドイツ、コロンビア、メキシコ、中国、スペインでした。
日本の場合、「なぜそうなるのか」および答えを導く際の「どのような手順か」を詳しく説明する授業が55%あり、これは中国に続き2番目に高いという結果が出ました。
さらに、公式を適用する問題、規則性を見つける問題、手順を求める問題、分析を必要とする傾向が64%あり、ドイツに次いで2番目に高かったのです。
くわえて、記録した授業の映像をもとに3つの観点(「授業運営」、「社会的・情緒的支援」「教科指導」)の分析を行いました。
授業運営:学習活動全体の様子をみる
社会的・情緒的支援:教師と生徒の人間関係や学習上の励ましをみる
教科指導:授業の内容や生徒との対話をみる
この3つの観点に関連する各項目について、全項目で最高の評価が出ました。
実際、現場の数学の授業を参観すると感じますが、深く「数学的思考力」を問う授業が多いというのは、わたしの実感としても伝わってきます。
しかし、一方で日本は教育機器の整備が最も遅れていることが、今回の調査で、やはり明らかになりました。
タブレットやパソコン、プロジェクターの活用状況・整備状況は一番遅れていました。
79%の授業で利用がありませんでした。
ちなみにイギリスではすべてのクラスでICT機器が活用されていました。
この調査は平成30年(2018年)に行われたもので、今回、結果が明らかになりました。
日本では新型コロナウイルス感染防止のために、今年になってから「GIGAスクール」事業として、各自治体が急ピッチで「一人1台」の整備を進めているところです。
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