1995年、ロンドンでラッセル=アインシュタイン宣言がだされました。
イギリスのバートランド・ラッセル(哲学者)とアメリカのアルベルト・アインシュタイン(科学者)をはじめとするが中心となり、1955年7月9日に11人の連名で、核兵器廃絶・科学技術の平和利用を訴えたのが、この宣言でした。
当時は、アメリカとソ連が競い合って水爆実験を繰り返していました。
宣言の結びにはこう言う言葉があります。
「人間性を心にとどめよ、そして他のすべてを忘れよ」
そうでなければ、核戦争で人類は滅ぶということです。
「人間性」とは英語で「ヒューマニティー(humanity)」です。
人間だけが生まれてもっている人間らしい心情。
他の人のことを思う心でしょうか。
宣言は全人類への訴えでした。現代を生きる一人ひとりに、未来の人びとの苦難に思いを馳せる人間性を問いかけたのでした。
時代は移り、核廃絶はいまだ実現せず、感染症が世界的に広がっています。
こんな時代にあっては、人間性の「結集」こそが、核や疫病などの脅威に協調して立ち向かう力になるということを、この宣言は教えてくれています。
「分断」、「対立」を乗り越え、協調の時代へ向かう。
私たちが取るべき針路の方向はここにあります。
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