箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

学校で歴史を学ぶ意義を問う

2021年11月21日 07時20分00秒 | 教育・子育てあれこれ


昨年から続くコロナ災禍で、何度か耳にした関係者の言葉があります。

「このまま営業の自粛を求め続けると経済が死んでしまう(だめになる)から・・・」。

そうでしょうか。この言葉の視点は「経済=お金」しか念頭にないのではないでしょうか。

しかし、昔に考えられていた「経済」とは「営することで、民衆の苦しみ救う」ので民する、でした。

これには四字の熟語があります。「経世済民」です。江戸時代の考えです。

つまり、人が救われて幸せになることが、本来の意味の「経済」です。

この視点で考えれば、営業自粛を求めることで、お店の経営が成り立たなくなり、営業主が苦しむのなら、「経済」ではないということです。

今まで、大阪の営業主は営業自粛を求められたら、アルコールを出さないとか営業時間短縮の要請に対して実直に協力してきた店が多かったのです。

その人たちが幸せに生きて、営業を続けられることを願ってやみません。


じつは、学校の「歴史」や「公民」の時間は、そのようなことを学ぶためにあるという考えが成り立ちます。

江戸時代には、ハイレベルな循環を基本とする経世在民の社会でした。さまざまな文化を取り込みながら、消化し、元禄文化や化政文化をはじめとする、新しいオリジナルな庶民文化を創ってきました。

つまり、江戸時代を学習することで、いまの日本が背負っている問題がわかるのです。

社会科の教師の醍醐味は、過去の歴史を現在に引き寄せ、生徒たちに現在の問題を見通すように仕向けることにあると、わたしは考えます。


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