
通常学級(多くの児童生徒が在籍する一般的な学級)の中には、発達障害の児童生徒も在籍しています。
発達障害は大別すると・・・
*学習障害:本の文章を読んだり、文字を書く、計算するのが苦手。漢字をなかなか覚えられない子など。
*広汎性発達障害:対人関係関係を築いたり、やりとりが苦手。あることへのこだわりが強い。自閉症やアスペルガーの症状を示します。
*ADHD:注意力がほかの子どもとちがうとか、多動性の障害をもつ。
この3つはきっちりと分けれることもありますが、いずれかが重なる児童生徒もいます。
また、なかには知的障害を伴うこともあります。
そのような「発達障害の可能性のある児童生徒」は、このたび通常学級に8.8%いると調査結果が発表されました。
10年前の前回では6.5%でした。20年前の前々回は6.3パーセントでしたので、この10年間で大きく増えました。
この数字だけを見ると、発達障害の子は増えてきたと見なすこともできます。
ただ、この調査は教師の回答をもとにしています。教師間で発達障害の認知が進み、理解が深まり、「この子は発達障害に該当する」という回答が増えたからとも考えることができます。
従来なら「じっとすわっておれない子」とか授業に集中できず落ち着きに欠ける子と言っていた子のなかには、その特徴や傾向、専門的知識をもとに発達障害の可能性があると教師が判断したからです。
8.8%はもちろん医師が検査をして発達障害と診断した子どもも含めて教師が回答した数字です。
大切なことは、「発達障害」というラベルをつけることで、教師が「納得」してしまわないことです。
つまり、「この子はどうして授業中落ち着きがないのだろうと感じていたが、発達障害だったのか。ならば・・・」。
その「・・・」の部分が大切です。
「できなくても仕方ないね」とだけ考えるか、発達障害に見合う支援をしようと思うかです。
「発達障害」という判断、見立てや診断はその子の困り感を理解して、最適のサポートをするために使われるべきなのです。
このことは学校だけではなく、大人の社会でも同じです。発達障害という言葉は、ここ10年ほどでメディアでも紹介されてることが増え、知る人が増えました。
たとえば、「あの人は場の空気が読めないね。発達障害じゃないか」で、済ませることがあるのでないでしょうか。
「〇〇さん、その赤いネクタイは派手すぎますよ」と状況を考えず、唐突に言った人がまわりからひんしゅくをかうだけでスルーされるなどです。
では、学校での最適なサポートについては、次回のブログで書きます。
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