大阪の公立高校を障害のある生徒が受験する道は、学校現場と大阪府教育委員会の努力により、受験上の配慮事項を設けることで、以下のように一定程度開かれた制度になっています。
(図はカウンセリング 大阪のフルフィルメント
「夫婦における【平等】と【公平】」より引用)
*学力検査時間の延長
*代筆解答
*介助者の配置
*問題用紙等の変更(点字や拡大等)
*英語リスニングテストの筆答テストによる代替
*別室受験
*物品の持込み
*個人面接
*座席の変更
*補聴器等の使用
*代筆解答
*介助者の配置
*問題用紙等の変更(点字や拡大等)
*英語リスニングテストの筆答テストによる代替
*別室受験
*物品の持込み
*個人面接
*座席の変更
*補聴器等の使用
などです。
配慮を希望する場合は、在籍している中学校に保護者が相談します。
そして必要な手続きは、中学校から大阪府に申請することになり、協議をして府が認めた受験上の配慮を得て、当該受験生が受験するしくみになっています。
関西の私立高校の受験でも、最近はかなり間口が広くなってきています。
ここで障害のある生徒の受験上の課題を焦点化するため、視覚障害者に絞ってみていきます。
かなり以前は、高校側から「本校では視覚障害のある生徒が学ぶことができる環境が整っていません」と、なかば公然と受験拒否がまかり通っていました。
しかし、最近では多くの高校が、たとえば英語のリスニングテストは筆頭問題にかえるなどの措置をしてくれます。
点字受験の場合は、別問題になることが多いです。
では、大学入試はどうなっているのでしょうか。
共通テストの点字受験の場合、漢字の出題は言葉の意味を問う問題にかわりました。
重度の聴覚障害の場合は、受験時間が1.5倍に延長されることが多いようです。
この場合、試験終了時刻がかわるので、別室受験がセットになります。リスニングテストは免除となります。
ここまでをお読みくださった方のなかには、「視覚障害者は優遇されている。特別あつかいか。平等でない」と感じられる人もいるでしょう。
しかし、次の画像をごらんくだい。
(図はカウンセリング 大阪のフルフィルメント
「夫婦における【平等】と【公平】」より引用)
equalityは「平等」で、equityは「公平」で、この絵は平等と公平の違いを説明するのによく使われます。
ゲームを見るのに、踏み台を誰にとっても同じ高さにするのが平等です。
それに対して、それではおとなはゲームを見ることができるが、真ん中の子どもはなんとか見ることができ、右端の子どもはまったく見ることができないです。
そこで誰もがゲームを見て楽しめる工夫が必要になります。
つまり背の高さに合わせて、踏み台の高さを調節します。これが公平です。
ここから言えるように、入試制度における障害のある生徒への配慮は、だれもが公平に入試にチャレンジできるために設けられているのです。
なお、小中高の学校教育のなかで児童生徒が学ぶ人権学習は、このような知識を身につける大切な機会として行われています。
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