思春期の娘が、父親を敬遠するようになる。
このことは、家族や子どもにもよりますが、さいきん「仲よし親子」が増えたとは言え、とくに珍しいことではありません。
わたしも、中学生を娘に持つ母親から、何度か相談を受けたことがあります。
娘が父親と口をきかなくなった。
娘が父親と一緒の食事を避けるようになった。
お父さんの洗濯物を触らないようになった。
家で、身体が接触しないよう、体をそらすようになった。
ついこの前まで、「お父さん、お父さん」とまとわりついてきたのに・・・。
父親はさみしそうに振りかえります。
しかし、思春期の娘というものは、親の「所有物」から次第に抜けだそうとするものです。
思春期の娘が自分を親から切り離すために、素っ気ない態度をとるのは、ある意味でとても健全なことです。
家の外では、親の知らない自分をつくり、親が管理できない世界を築き、家の世界と行ったり来たりしながら、親とはちがう自分をつくっていきます。
それは、いままで親の庇護やしばりが強い親子だったほど、また、親が娘の行動を把握しようとすればするほど、外れようとする度合いは強くなります。
娘が親離れをしようとしているのに、無頓着に父親が話かけ、娘の行動を把握しようとすればするほど、娘は巧妙に嘘をつくようになります。
思春期の娘の親離れしようとするのを認めず、コミュニケーションをとろうとしたり、一緒にいる時間をつくろうとすると、かえって心理的距離は遠くなります。娘の反発も強くなります。
そんなときは、父親離れを受け入れ、娘が客観的に父親が見れるようになったときまで待つのがいいと思います。
親としてではなく、社会人として娘が父親を見ることができるようになるまで待つのです。
父親が社会人として、大人としてもっている力量は、娘が社会人に近づくほど認めるようになるものです。
やがてそんな時期が来る。そう思い、親離れを受け入れることです。
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