1970年に入るか、入らない頃だったでしょうか。
テレビなどで ”Small Is Beautiful” という言葉が流れていました。
ときは高度経済成長の頃で、四日市ぜんそく(愛知県)、イタイイタイ病(富山県)、水俣病(熊本県)などの公害病が大きな問題となり始めた頃でした。
大量生産、大量消費の社会のしくみにあらがうようなキャッチフレーズが、「スモールイズビューティフル」だったわけです。
大きければいいというものではない。
速ければいいというものではない。
強ければいいというものではない。
欲望のままに行き過ぎた産業・社会を続ける「長高重厚」よりも、もっと小さな地域社会やコミュニティに目を向けるべきだという考えでした。
そして、それに呼応するように、 “Simple Life“という言葉もCMなどで流れていました。
しかし、当時の勢いのある日本経済では、それらのスローガンは人びとの間で受け入れられることはなかったのです。
その後、高度消費社会が訪れ、バブル時代へ突入、グローバル化していきました。
しかし、バブルはとっくの前に崩壊し、今は不景気、低経済成長(マイナス成長)、自然災害、感染症に日本は見舞われ、閉塞感が立ち込めています。
そんなときこそ、もっと地域に目を向けるべきであり、小さな単位のコミュニティに人びとは軸足を置くべきなのでないか。
人間の集まりは、顔の見える人たちとのコミュニケーションに価値を見いだすべきではないでしょうか。
文化や音楽、アート、芸術もローカルな単位で楽しむことがこれからの時代でないかと思います。
かといって、それは閉鎖的なコミュニティでなく、インターネットを介して遠い人ともゆるやかにつながっている。
そのような社会で人は生きていくべきでないかと思います。
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