教職員の研修組織として「研究会」がどこの自治体にもあります。
この研究会は、一般の市民にはそれがどのようなものであるかは、なかなか理解されにくいものです。
また、教育行政に身を置く人でも、教員出身でない、行政職、いわゆる役所の公務員から教育委員会に所属した人にも理解されにくいのが実情です。
初めて教育委員会に来た行政職の人のなかには、「〇〇研究会! それってなんですか? そんなものに交付金をつけるのですか」という人が少なくありません。
「研究会」は、たとえば国語教育研究会や図書館教育研究会、人権教育研究会、道徳教育研究会など、教科や領域、教育課題ごとに設けられた教員の研究組織です。
その会は、教員同士で運営することが多いですが、その分野での研究者(大学の教員)や学識経験者などを講師として招き、指導理論を研修します。
この研究会は、そもそも「教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない」(教育公務員特例法第19条)という、法で規定された教員の研修の手段・場として機能しています。
教育界では、研究による「理論」と授業をはじめとする教育活動の「実践」の往来が重要になります。
授業を例にとって、考えてみます。
授業では、いきあたりばったりの指導ではなく、理論に基づく指導が大切であると教員は認識しています。
そして、その理論は学校現場の授業で活用され、つまり実践されて、いきるものとなります。
たとえば、「子どもの学習を持続させるにはどうすればいいか」を研究テーマにします。
教員同士が論議し、それには①学習する場(空間)と②教えてくれる人(教師)と③子どもの学力にあった教材提供が必要になるという理論を導いたとします。
その3条件を満たす授業を実践してみて、子どもが目つきを変えて、集中して学習に取り組む変化があった、という報告(実践報告)を研究会で行います。
研究会では、3条件にさらに「友だちといっしょに学習できる」を加えるといいのではないかと研究が深まり、次回に実践をする。
このように研究と実践を往来させ、重ねていくのです。
子どもの行動が目標にむかって変わっていく(成果が出る)ことが、その理論が役立つものであるかをみる指標になります。
そして、また理論をさらに研究して実践していくのです。つまり、研究と実践は行き来するものです。
教育の現場では、むずかしい理論を議論して理屈をこねまわすのではなく、実際の実践がセットになっていなければ、子どもへの成果として実ることはありません。
たえず「研究」と「実践」が繰り返され、行き来して、両方がブラッシュ・アップされていくのです。
それが、「教育の答や方針は現場にある」という意味でもあるのです。
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