諸君はこの颯爽たる
諸君の未来圏から吹いて来る
透明な清潔な風を感じないのか
(宮沢賢治『生徒諸君に寄せる』より)
この言葉は長編詩のごく一部です。
教師だった宮沢賢治が生徒に贈った詩です。
生徒が卒業するにあたって、生徒への希望・願い、そして生徒への感謝を述べています。
冒頭の言葉には、生徒のこれからの人生に対しての、意気揚々とした思いが綴られています。
この詩が発表されたのは、昭和21年(1946年)4月でした。
だから、第二次世界対戦中に書かれたことになります。
生徒へ贈ったこの詩には、宮沢賢治が戦時中の言論統制下で、自由にものが言いにくい「生きにくさ」を感じていたのではないか。
言論できる自由への、宮沢賢治自身の渇望も散りばめられているように、私は感じます。
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