箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

地に足をつける時代

2020年10月04日 08時33分00秒 | エッセイ


新型コロナウイルスによる「ステイホーム」の影響はさまざまな面で表れています。

たとえば、外出を控えるようになったので、靴や化粧品の売れ行きが鈍った。

ところが、家で快適に過ごすための高機能の炊飯器が売れている。

病院へ行くのを控えた反動で、体の痛みをやわらげる鎮痛薬が売れている。


新型コロナウイルス感染防止の影響で、人びとの安心安全を求める意識は高まっています。

人と接することは減らすが、利便性は追求するという生活のしかたが進んでいくことになるのかもしれません。

もう一つの影響としては、デジタル化の進展です。わたしもオンラインではじめて授業をしました。

年齢など関係なしに、今後はデジタルを使う人が増えてくるのだと思われます。

「おうちごはん」」も見直されたようで、なかにはトマトなどの野菜を自宅で育てたりする動きも出てきています。

「業者に頼まなくても、自分でできることは自分でする。家族を大事にする。自然にやさしく生きたい」という生活のしかたが広がってくるかもしれません。

このような生き方は、じつは昭和の頃の「モーレツ社員」だった世代の人びとの後、今の若い人の世代が志向していたものです。

この人たちは、「右肩上がり」の時代を知りません。

マイカーをもたなくても、カーシェアリングで済ませるので十分だという世代です。

じっさい、新型コロナウイルスが問題になる前から、私の知り合いの息子さんは、「田舎暮らしがいい」と、田舎に移り住みました。

今回のコロナ禍は、そういう若い人たちが志向する生き方を支持することにもなったのです。

服でも、とくに高価なものを身に付け、消費するという時代は終わるのでないか。
食品を大量に作り、廃棄する時代も見直していくでしょう。

これからは、「地に足をつけた生き方」をしたいという人が増えてくるでしょう。

山を登るときには、がむしゃらで気がつかなかったが、山を下りる時には足元に咲く小さな高山植物に目がいき、立ち止まり、しみじみときれいだと思う。

このように足元の小さな幸せを見つける生き方が、ポストコロナの時代の価値観なのかもしれません。


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