箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

コロナ禍の影響 子どもも同じ

2020年12月27日 07時50分00秒 | 教育・子育てあれこれ


新型コロナウイルス感染症の影響を調べるため、今年9・10月に小学1年生から高校3年生の子どもに行った調査(国立成育医療センター)があります。

それによると、かなり多くの児童生徒に登校意欲の面で影響が出ていることがわかりました。

「最近1週間で、学校に行きたくないことがある」が31%でした。
このうちで
「いつも」・・・7%
「たいてい」・・・5%
「ときどき」・・・19%

ストレス反応として、「最近1か月でコロナのことを考えるとイヤな気持ちになる」、「すぐにイライラする」、「集中できない」を選んだ子どもは、全体の73%になりました。

さらに、「私が考えを話せるように、先生が質問したり確かめたりしてくれる」は、「してくれない」が21%になりました。

なお、この調査には、質問にすこし意図的な表現が多いと私は感じます。

たとえば、子どもは「学校に行きたいか」と聞かれると「はい」と答えやすい、「学校に行きたくないか」と聞かれれば「はい」と答えやすいのです。

しかし、全般的な傾向をみる調査としては、客観性があると思われます。

やはり、新型コロナウイルス禍は、子どものメンタル面への大きな影響を与えていることが明らかになっています。

また、学校で子どもが自分の考えや意見を自由に表現することができる工夫をする必要があると考えられます。

以下の自由記述のコメントは、それが多い、少ないにかかわらず、かりに少数意見であったとしても、大人が真摯に受け止めるべき「キラリ」と光る鋭い指摘があることが多いものです。

・先生が優しく「大丈夫?」といってくれると、なんだか安心して先生に今の気持ちを落ち着いて言える。(小学生)

・他の生徒に聞かれないところで、安心して話せる部屋で話を聞いてもらう(中学生)

・学校側はどうして行事などが実施できないのか明確に理由を話す。生徒にも意見を述べる場を与えてほしい(高校生)


コロナ禍の影響で、教職員が心の余裕をもって子どもに対応できておらず、つい子どもを急かして活動させてしまう、子どもの心理的な面に配慮したていねいさがないなどの状況が見えてきます。

また、子どもが自分の意見や意思を表明する可能性やチャンスに欠けている学校・教職員の姿が浮かび上がってきます。

新型コロナウイルスに対して、教職員は初めての対応なので、なにかと行き届かない点、気がつかない点もあるでしょうが、子どもの本音や声には耳を傾け、子どもの悩みや疑問に応えていく必要があります。


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