
2017.04.16 午前7:43 撮影
「風よりも火だね」と我を呼びし人 葉桜のした火を抱かず行く
(俵万智「かぜのてのひら」より)
先日訪れた堀文子展で展示されていた日本画「花霞」
西行が庵を結んだという聖地吉野は、文子にとって長く憧れの地であった。
「吉野山やがて出でじと思ふ身を
花散りなばと人や待つらむ」
「ねがはくば花のもとにて春死なむ
その如月の望月のころ」
女学生の頃、国語の時間に習った西行の歌。
乱世を厭い、一所不住の旅を住処とした西行の生き方に衝撃を受け、以後その生き様は常に文子の心にあった。
(白寿記念「堀 文子」私流の生き方を求めて
鬼頭美奈子執筆(名都美術館 主任学芸員)より)