ちび庭日記

借り家住まいのちいさな庭の植物達を中心に、身近に感じたことを載せてゆければいいな~と思っています…(^_^)。

ながはまのお庭。

2012年08月27日 | ガーデン
はい。では夏休みin滋賀の様子を。

新宿から高速バスで5時間で名古屋へ。そして名古屋から東海道線で1時間で滋賀入り。
実家に近づくにつれ、だんだん山並みが優しくなる。

山の稜線が丸くたおやかということもあるけど、北陸に近いここは、ブナやコナラ、ミズナラといった、落葉広葉樹林が多い。
さや渡る風、穂が撓みはじめた緑の田んぼ。遠くにかがやく母なる琵琶湖。

うん。近江の国は、実に、美しい。

さて。そんな湖北に、気になる場所がひとつ。
むかし、「長浜の盆梅展」ってよく行ったよな~。その会場となる「慶雲館」に、実は植治こと小川治兵衛の庭があると!
ええっ、庭なんてあったっけ???部屋の中の盆梅しか見なかったよ。ぜんぜん知らなかった~。

国の指定名勝になり、お庭を公開しだしたのは、つい近年のことらしい。では、Let's go!

おお~。ぜんぜん覚えてないや。すごい大きな木。こんなとこだったっけ。


おおっ。すご~いよ。前庭からすでにすごい迫力。写真に入ってませんが、とんでもない巨石がゴロゴロしてます。こんなお庭見たことない!何だこの格式の高さ!

前庭もじっくりみたかったけど、閉館時刻が迫っててあわてて駆け込み。入り口にいらっしゃった管理人のおじさまが「まだ大丈夫だよ」と、館内を案内してくださることに。

うわ、おっきい手水鉢!

お話によると、なんとこの館、明治天皇の2時間の滞在のためだけに、当時の長浜の豪商浅見家が私財をなげうって建てたのがはじまりとか。そして伊藤博文さんが慶雲館と名付けたのだそうな。
そんな豪商がいたんですか!!と聞くと、なんでも浜ちりめんを海外に輸出して長浜の近代化に尽くしたすごい人だったそうです。うわ~、ほんとに知らなかった。


2階の天皇の座(2階があったことも知らなかった…)。この建物自体、部屋といい、ガラス窓といい、本当に、美しいんです。


さて。2階から眺めたお庭の素晴らしいこと。おお、芝生が植治さんですね。おじさまの説明も実に素晴らしく。
真ん中の涸れ池は琵琶湖をかたどったそうな。では、向こうの三角の岩が伊吹山でこちらの大きな黒岩が比叡山でしょうか。あの灯籠は石山寺?
おもしろい灯籠もいっぱいあって楽しい~。お庭の遥か向こうには、本当の琵琶湖の水面が。


奥琵琶湖方面。あの立石は…竹生島か賤ヶ岳か…な~んて思うとおもしろい。
このお庭は、京都の無隣庵よりもずっと後に、小川治兵衛の長男白楊も関わって作られたらしい。
いや~。すごいね。

そして。こんなすてきなお庭なら、きっと造園界ではご高名なあの先生もいらっしゃったのではありませんか、な~んてなかば冗談で言っていたら。なんとなんと。
いらっしゃっただけでなく、説明してくださったおじさまともども「ながはまのお庭」という小冊子をつくるのにかかわられたんですって!これ!↓

おう、先生、ご活躍ですねえ!…っていうか、こ~んなに長浜にお庭あったんですか~。は~。びっくり。だって、まちを歩いてても表からはぜんぜん見えないわよう。すご~いっ!すばらしいっ!

確かにもともと秀吉さんのご城下ですからそれなりに商家がたくさんあったのですが、その商家がこの慶雲館に刺激を受けて、植治ならびにそのお弟子さんたちをこぞって京都から呼んで、もしくは地元の植木屋が弟子入りし、長浜にお庭の一大ブームが起きたのだそうです。

それらのお家は今でもお住まいですから、なかなか公開するわけにはいかないのですが、そ~んな文化的財産が眠っていたなんて!!!

おじさまによれば、11月にも第2段が発売されるらしいですよ。たのしみ~。1冊300円。
小冊子「ながはまのお庭」、購入したい方はこちら↓まで。

発行所:特定非営利活動法人 まちづくり役場 ながはまの庭プロジェクト
〒526-0059 長浜市元浜町6-12 0749-65-3339
http://www.biwa.ne.jp/~machiyak    machiyak@mx.biwa.ne.jp

中身はこんな感じ~。
http://sazanami-books.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-70ae.html

いや~、すばらしかった。大満足。おじさま、ありがとう。今度はじっくり見に来るね。

実はもっと素晴らしい写真を撮ったんだけど、それはナイショ。みなさまも是非、長浜の慶雲館、来てみてね!
がんばれながはま!

☆今日のちび庭気温: 27~34℃ あつ、あつすぎる。う~、もっかい避暑に行きたい~。って、もうすぐ9月よ。(^^;)