ちび庭日記

借り家住まいのちいさな庭の植物達を中心に、身近に感じたことを載せてゆければいいな~と思っています…(^_^)。

いんぷっと。

2012年08月02日 | 読書録

はい。最近読んだ本です。常に図書館から10冊程度借りています。それでも庭関係の本が尽きないのはありがたい限りです。とくに、2万円とかする本も読めるのは実にありがたいことでございます。


・ ポール・スミザー 日乃詩歩子 「日陰でよかった! ポール・スミザーのシェードガーデン」宝島社 2008



ポールさんのシリーズは好きであると読んでしまいますが、こちらもフムフムと食い入るように読みながら、さっそく植物いじりをしたくなりあれこれとさわりだし。日陰と一口で言っても、確かに実に様々なのですね。植物をとことん観察すること、自分もまだまだだなあと反省。ご実家のお庭とご両親のエピソードには、とても共感します。



・ 三好和義 「京都の御所と離宮」 朝日新聞出版 2009年



写真集です。とても大きく厚い本です。実に、実に美しい。京都御所、仙洞御所、修学院離宮、桂離宮の庭園や建物、調度など、細かいところまで写真で捉えてあり、ため息をつきながらじっくり眺めてしまいました。



見学は予約制のため、京都御所以外は入ったことがない(その周りは幾度となく通っていたというのに!)のですが。



いいですね~。うつくしいですね~。日本の文化の粋ですね~。もう、是非、実物を見てみたいです。



・小林享「風景の調律 景観体験の構築」鹿島出版会 1999年



あらゆる風景にはメッセージがあるということを思い出させてくれる本でした。



小学校の頃、東京に向かう新幹線の中から、延々と続いてひしめく住宅と林立する高層ビルをみて、背中がゾワゾワしたのを覚えています。



緑豊かな田舎から久々に出てきて、目に映るこの全ては、ねじの一本一本に至るまで遠い昔からその一つ一つを誰かがデザインし集積されてきたものなのだ、ということをふいに感じ、人間の底知れぬパワーに圧倒されてしまったのでした。



五感をフル回転して風景のメッセージを読み解くのを忘れず、さらにより良い風景が構築できれば、素晴らしいですね。



・小出兼久「聖書の庭 庭づくりの原点を求めて」NTT出版 1998年



聖書の世界で歌い上げられる植物の種類は実に豊か。



それにくらべ、仏教聖典で思い浮かべる植物表現といえば、蓮、菩提樹、沙羅双樹、といったところでしょうか。といっても、お経に触れるのは法事の時ぐらいなので本当はどうかよく分かりませんが。



聖書の生まれた地は生きるには過酷な気候であるが故に、植物の豊かな、安心して生存できるオアシス=パラダイスとして人々を魅了したのでしょうね。



一方、もともと緑豊かな仏教圏では、具体的な植物よりも光や五色の雲、妙なる音楽や香りが浄土の表現としてつかわれている気がします。



西洋の庭と東洋の庭。こんなところからも、違いが出ているのかもしれませんね。共通点があるとすれば、薬草園の役割でしょうか。そう考えると、またなかなかおもしろいです。



・アビジット・V. バナジー「 貧乏人の経済学 もう一度貧困問題を根っこから考える」みすず書房 2012年



途上国援助におけるミスマッチはなぜ起きるのか? マイクロファイナンスが機能しない状況とは? 意外な現地の実情や問題点、人々の行動心理。「事件は現場で起きてるんだ!」という台詞がふと浮かびます。



ニーズを的確につかみ方向性を見直す。より適切な手段を追求する。言葉にすると簡単ですが…。途上国でなくとも、自分の仕事や日常生活においてもいろいろと考えさせられる本でした。