若者たち

ひさしぶりに木曽の露天風呂に行った。
気温は昼でも氷点下4度程度。先週50cmほど降ったという雪は、露天の檜風呂の周りに積もり、溢れた湯に溶けて歪（いびつ）に凍っていた。

女湯には中年の女性も数人入っていった。男湯は若者二人が先客だった。
内湯には誰もいなくて、のんびり雪を見ながら湯船に浸かった。

若い男女は湯船の周りの雪で壁越しの雪合戦を始めた。ぼくの想像では、そんなことをされたらあの中年の女性たちは露天風呂に入れないだろうと思った。
嬌声をあげる若い男女。
「いいかげんにしなさい」と僕。叱ったというほどではないけど諭したつもり。

言わなければわからない若者。情けないです・・・
ぺこりと一人の若者が頭を下げた。女湯にも聞こえたのだろうが、女湯からの雪玉も来なくなった。
頭を下げた若者が先に湯を出てから、もう一人の若者が謝ってきた。
大柄で丸坊主で空手タコがある青年だった。
女湯のお客さんの身になって考えなさいねと伝えた。

不道徳ではあったけど日本もまだ捨てたものではないなあ。

帰りがけにその青年がまた頭を下げて帰っていった。
多分、今の世の中そういうことを言う人がいなくなったんだろうなあ・・・

R-D1+Summarit5cmF1.5
その風呂の入り口にて。