風のように

ゆらり 気ままに 過ごすとき
頭の中は妄想がいっぱい
錯覚の中で生きるのが楽しみ

曼珠沙華

2014-09-22 20:07:42 | 日記
長姉が危篤の報を受けて

土日に実家へ帰った


姉とはずいぶん歳が離れていたから

私が物心つくころの姉はちょうどお年頃で

綺麗で淑やかで容姿端麗って言葉がぴったりの

羨ましくも自慢の姉だった


そんな私の子供時代から半世紀もすぎ

数年前にあった時の姉は

長い髪をお下げに結んで

その表情は清楚で少女のようだった

少し神経を害していて人に会うと気分がハイになり

興奮が続き睡眠もとれなくなっていたらしく

家庭で静かな生活を送っていた


見舞いに訪れた病院のベットの上の姉は

びっくりするほど痩せて

布団の嵩は何ほどもなく

それでも開けてくれた目に宿る表情は

昔のようにやさしく

姉ちゃんという呼びかけに答えてくれた


故郷の光景は

たくさんの曼珠沙華が咲き

田や川には餌の現れるのを待つ鷺が

美しい姿でじっと佇んでいた



一時心停止した姉は

電気ショックのあと様態が安定してきている

このまま快復に向かってくれることを祈念












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