CubとSRと

ただの日記

14年前にも「自民党を何とかしなけりゃ国が潰れる」と言っていた。

2024年12月17日 | 心の持ち様
 前回の書評で評者の宮崎氏が書かれていた青嵐会の話、先年も再掲しましたが今回14年前の日記をもう一度。
 部分再掲です。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  2010.04/11 (Sun) 
     
   (略)
 小説家として若いうちから確固たる地位を築いた氏が次に飛び込んだのは政治の世界でした。
 そしてまだ若い石原慎太郎という人物は同じ若い議員の平沼氏らと共に派閥を超えた「青嵐会」という政治グループを党内で結成したのです。
 代表世話人は故中川昭一氏の父、中川一郎。渡辺喜美氏の父、渡辺美智雄。都知事は当選一回目ながら、幹事長です。
 「若い議員の力が自民党に新風を吹き込む。自民党を変える勢いがある。」私もそう思いました。
 (三島由紀夫氏の事件から三年。私、ただの生意気な大学生でしたが。)

 ニュースの中でその「青嵐会」の名簿が映されました。
 各個人の名前の下に血判が捺されてありました。血判状です。血判状をつくっていたわけです。
 思い出しました。何も知らない当時、私は
「何とまあ。極道じゃあるまいし。血判だなんて」
と思ったのです。

 皆さんはどう思われますか?
 「かための杯に双方一滴の血を落とし、それを啜って義兄弟となる」というのが有名ですが、「この時代に血判なんて」と思いませんか?

 実は本来、日本では当たり前に行なわれていたのです。連判状はみんな血判でするものです。
 やっぱりちょっとでも指を切れば痛いですからね。段々行なわれなくなっては来ましたが今でも誓詞に血判を捺して神前、師匠に呈するところはあります。
(かく言う私も数度血判を捺しています。勿論、政治結社でも極道でもありませんよ、念のため。)

 ちょっと痛いくらいで大して出血するわけでなし、却って寒稽古なんかの方が大変だと思いますが、「覚悟する」という意味ではなかなか効果的なやり方です。
 それを代議士が30名余り集まって、やった。(森喜朗、浜田幸一、野田毅、玉置和郎などもいた)
 三島事件が大きく影響している、とは思います。血判状ではありませんよ、「憂国」の思いが、です。

 田中総理が日中国交樹立のために北京に行こうとするのを、やめてくれと必死になって頼み込んだりした。
 (台湾を切り捨てることになるからです)
 あれから、三十有余年。

 あの時以上に酷い状態になっている。なのに青嵐会に代わるものがいるのか。与党の中でそれを必死になってとめようとする者がいないのなら自民党がやらなきゃいけない。その自民党はどうなのか。

 今日は朝から色々な番組でこれをやっています。
「揶揄して足を引っ張ることなら誰にだってできる」という知事の檄に対し、会見会場がしゅんとなったことを伝えたところはあったでしょうか。伝えたところがあったとすれば、日本の報道、まだ一縷の望みがあるのですが。


 蛇足ながら。
 青嵐会結成の際には血判を押したというのは本当の話で 、「何もそこまでやらなくたって署名で良いじゃないか」とか「時代錯誤だよ」「芝居じゃないんだから」等、色々意見もあったそうですが、「それが大事なんだ。意気込みを『自分』に見せるんだ!」ということで、参加者が集まって署名血判。
 「あいたた!切り過ぎた!」「え?血が出ないぞ」「おい、どの指を切ったらいいんだ?」と、まあ大騒ぎだったとか。何だか体育会系のノリみたいですが。しかし、やっぱり期待以上の結束力が生まれたそうです。

 ・・・・・・・・・・・
 (2024/12/17)
 さらに蛇足ですが「署名血判」の「署名」というのは、そのまま自分の氏名を書くことですが、「血判」と言うのは文字通り「血の判子」と言うことではありません。「判子に血を付けて押す」ということではない。
 「指に血を付けて指紋を」ということでもない。それじゃ指紋押捺みたいです。指紋を付ける理由はない。

 約束に用いる指は薬指だったそうで、薬指を傷つけ、その血を署名の下に付けることを、署名血判と言ったそうです。(爪の根元、生え際近くの部分を針などで刺し、出血させる)
 蛇足ですが、極道者が「落とし前をつける」として指を落とすのは本来小指じゃなくて「約束」をあらわす薬指だった、とか。
 (伊藤博文を暗殺したとされる安重根は左手薬指を切り落としています。護国の決心を誓う証拠としてだったそうです)
 実生活では小指がないと大変不自由だけれども、薬指はそれほどでもないそうです。見た方はどっちにしても吃驚しますけどね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする