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ただの日記

元日早々に良い記事を見つけた(3)

2020年01月01日 | 重箱の隅
 ▲縄文時代から日本人には輪廻転生を信じていた

縄文時代の 遺跡の住居跡を調べると、入り口に甕が埋められている事例が多いという。この甕は逆さにされ、 底には小さな穴が開けられており、乳幼児や死産児の遺体が納められていた。

 死産児の遺骨を玄関の床下や女性用トイレの脇などに埋める風習がごく最近まで日本で見られていた。「死んだ子供が少しでも早く生まれ変わってくることを願って、遺骸を女性が頻繁に跨ぐところに埋めた」(竹倉史人『輪廻転生』、講談社、2015年)

遺体を埋める前に墓の中に魔除けと「生まれ変わり」を促すとされるベンガラ(酸化鉄) という赤い粉をまいたりしていた(簗瀬均「魂のゆくえ」秋田魁新報社)
 
 また初期の聖書には生まれ変わりの記述が多数存在していた。こうした輪廻転生の思想が、現代に甦る。

 この問題に正面から取り組んだ論文は「多死社会における産業振興のあり方に関する一試案」、藤和彦(経済産業研究所) である(RIETI  Policy Discussion Paper Series・ 2019 年 12 月)
 
 その概要の重要箇所を下記に簡潔に掲げる。
 「生まれ変わり」の観念の起源は古い。インドでは少なくとも過去4000年にわたって宗教的、哲学的発達の最大の源泉の一つになってきた。人類の精神史の中で輪廻や復活といった「生まれ変わり」の観念が繰り返し生じており、客観的な事実か単なる妄想なのかどうかは別にして、繰り返し出現してくるだけの心理的 な必然性があったことだけは間違いない。 

2006年から2008年にかけてギャラップ社が143か国を対象として行った宗教 に関する国際調査では、日本は世界で8番目に宗教を重視しない国としてランクされてい るが、生まれ変わりを信じている日本人はなんと43%に達したのである。内訳を見てみ ると、高齢者よりも若年層、男性よりも女性の方が「信じている」比率は高い。生まれ変わりの主張はあらゆる時代を通じて世界のほぼ全域で発生している。
「生まれ変わり」の死生観は世界中の民俗文化において見られるが、前世の記憶を持って いると称する者の逸話がもとになって発生した可能性がある。

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