CubとSRと

ただの日記

前回は一瞬で負けた

2022年07月02日 | 心の持ち様
 非道に対するに道理での説得(交渉)は出来ない。
 けど、道理で蓄えた力は非道の発動自体を許さない。
 生まれ育った国を守ろうと思うことが「道理」であり、そこから生まれる「力」を精鋭の軍隊だ、と考えたら。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 以下は部分転載です。

 
戦後は終わり戦争の時代へ
━━━━━━━━━━━━━━
   “シーチン”修一 2.0

      略)
  岩田清文、武居智久、尾上定正、兼原信克・・・皆60代前半である。こ の4氏を知っている人は軍事研究者や外交関係者、軍事オタクかも知れな い。この4氏による対談「自衛隊最高幹部が語るウクライナ戦争──ウクラ イナの戦いから我々は何を学ぶべきか」(座談会は5月13日、新潮社 Foresight掲載は2022/6/7)を読み始めた~

      略)

 
岩田清文(元陸上幕僚長):これまで私たち4人は、日本の安全保障を テーマにした座談会を2度行い、それぞれ『自衛隊最高幹部が語る令和の 国防』『自衛隊最高幹部が語る台湾有事』という本にまとめました。今 回、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、また同じメンバーに集まって いただきました。

本日のテーマは、「今日のウクライナを明日の台湾、日本にしないため に」というものです。討論は大きく4部にわけて行います。

第1部は、ウクライナ戦争から我々が得るべき教訓は何か。第2部は、中 国や北朝鮮に与えた影響について。第3部は、核戦略および台湾有事への 影響について。そしてそれらを踏まえて、第4部では日本を含む西側諸国 が今後とるべき進路について。この4点について、陸海空自衛隊、そして 官邸や外務省、それぞれの立場から議論を深めていきたいと思います。

岩田:まず今回の戦争から得るべき教訓について。ロシアによる侵攻に よって、もう半世紀、あるいは70年も時代を引き戻された感があります が、そういう中で皆さんが認識している時代の変化と、その評価や教訓に ついて語ってください。

兼原信克(元国家安全保障局次長):今回の戦争の一番大きなショック は、国連の安保理常任理事国で、NPT(核兵器不拡散条約)体制における 正当な核兵器保有国であるロシアが、隣国のウクライナを正面から侵略し て、しかも核の恫喝を行っているということです。これは戦後国際秩序の 根幹が崩れたということだと思います。

安全保障面からの教訓は、一つがサイバーです。サイバーに関して、今 回ウクライナはすごく立派に戦っている。

 2014年のクリミア併合の際は、ロシアのハイブリッド戦が効果的で、発 電所、変電所、通信施設がみんなやられてしまった。電気がないと機械は 動かないし、通信ができないので、ウクライナはいわば盲目の“座頭市”状 態になって一瞬で負けた。

しかしその後、米軍の協力を得ながらサイバーセキュリティの増強を行 い、今回はロシアのサイバー攻撃が完全にはね返されている。これは極め て大きいと思います。結果的に今ロシア軍は、第二次世界大戦さながらの 破壊と前進という、100年前の陸軍の戦い方をしていて、これは裏を返す と、ウクライナのサイバーセキュリティがしっかり機能しているというこ とだと思います。

ただ、これと同じことを日本ができるかというと、おそらく2014年のウ クライナみたいな“座頭市”型になってしまう。日本もサイバー能力の増強 が絶対に必要です。たしかに自衛隊の中にもサイバー防衛隊が立ち上がっ ていますが、まだまだ規模が小さい。

アメリカの元国家情報長官デニス・ブレア氏にアメリカではどうやって いるのか聞いたところ、全体で1万人ぐらいの規模のサイバー部隊を抱え ているそうです。その最前線では、6人組のハンティングチームというの を作ってある。内訳は2人が軍人、2人がハッカー専門家、2人がエンジニ アですね。

この組み合わせで、米国政府などに侵入してくるマルウェアを追っかけ 回しているんです。そして最終的に発信元を特定したら、スパコンの力を 使って、マルウェアを発出する敵のコンピュータの中に、正当な権限を 持って入り込んで警告する。

実は今回、ロシア軍の動きに関する情報は、サイバー空間からの情報が 半分以上だといわれています。戦況を見てもわかるように、かなり正確に 相手の動きを掴んでいる。こういった能力は、現在の日本には完全に欠落 してる能力なので、すぐにスパコンを導入してハンティングチームを作っ て、岩田陸幕長が水陸機動団を作らせたように、今度はサイバー旅団とい うのを作らないといけないと思います

そして自衛隊に政府と重要インフラを守らせる。あるいは、内閣サイ バー情報セキュリティセンターを作って自衛官を大挙して送り込むことが 不可決です。

それから核ですね。チンピラのような北朝鮮は別にして、核保有国同士 では「最後の瞬間には互いに核を使うことになるから、はじめから戦争は しない」というのが暗黙の了解だった。

ところがP5(NPT*=核不拡散条約で核保有を認められた安保理常任理 事国の米露英仏中5カ国)の一員であるロシアの大統領が、隣国に攻め込 んだ上に「俺はいつキレるかわからないぜ」と言って核を恫喝に使ってい る。これは想定外で、「エスカレーション抑止」なんていうと聞こえはい いですけども、要するにチンピラがキレるぜと言って凄んでいるのと同じ です。核はそういうふうに使うものではないというのが前提だったんで す。*Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons(1970年発効)

他方、同じことをされたらどうなるかということは、日本も考えておく 必要がある。ウクライナ戦争と台湾有事の決定的な違いは、NATO(北大西 洋条約機構)圏外のウクライナにはアメリカは直接介入しないということ です。だから介入の直前まで、寸止めで支援をしているわけですけども、 ウクライナと違って台湾は西側の勢力圏に入っているので、正式な防衛義 務こそないものの、台湾有事では直ちにアメリカが軍事支援に入る可能性 がある。

そうなると、台湾と目と鼻の先にあって米軍基地のある日本も瞬時に巻 き込まれるということが十分考えられます。その場合、習近平にとって一 番効果的なのは、日本を戦線から離脱させることだと思うんですね。西側 の鎖の中でそこが一番弱い環なので。日本が外れたらもうアメリカは戦え ませんから、そこをブッ千切ればいいわけです。それが理由となって日本 が核の恫喝に晒される可能性がある。

アメリカは米兵が殺されたら絶対にやり返すんですけど、日本が単独で 守っている離島がやられたら、本当にやり返すかはわからないわけですよ ね。もしそうなったら、恫喝されるだけでおそらく総理官邸は腰が抜けます。

核兵器は、半分は心理戦用の兵器です。戦争が始まってから自衛隊を打 ち負かすのではなく、始まる前に総理の腰を砕けばいい。核の恫喝に屈し ないと言える総理はなかなかいないと思いますよ。ですから、核に対する 抑止力をどう強化するか。日本は独自核が持てないので、アメリカの「核 の傘」の信頼性をどう強化するかということは、これから真剣に考えてい かなくちゃいけないと思います>云々
 
  (以下略)

 わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
               頂門の一針 6185号
□■■□──────────────────────────□■■□
       
    2022(令和4年)年 7月1日(金)より

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 《今回の戦争の一番大きなショック は、国連の安保理常任理事国で、NPT(核兵器不拡散条約)体制における 正当な核兵器保有国であるロシアが、隣国のウクライナを正面から侵略し て、しかも核の恫喝を行っているということです。これは戦後国際秩序の 根幹が崩れたということだと思います。》

 《「サイバーセキュリティの増強」によって、今ロシア軍は、第二次世界大戦さながらの 破壊と前進という、100年前の陸軍の戦い方をしている。》

 《習近平にとって一 番効果的なのは、日本を戦線から離脱させることだと思うんですね。西側 の鎖の中でそこが一番弱い環なので。日本が外れたらもうアメリカは戦え ませんから、そこをブッ千切ればいいわけです。それが理由となって日本 が核の恫喝に晒される可能性がある。》
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 信じるか信じないかはあなた次第 | トップ | 実例が一杯転がっている »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

心の持ち様」カテゴリの最新記事