宮城の農業普及現地活動情報

県内9つの農業改良普及センターから,地域の特色ある取組や,宮城を元気にする農業普及情報をお届けします!

加美郡のりんご園主が農産加工の視察研修を行う

2011年10月21日 09時31分14秒 | 競争力のあるアグリビジネス経営体の育成

加美郡内のりんご園主らが山形県内の農産加工実践事例を学ぶため,8月29日に視察研修を行いました。

  大崎地方では西部の丘陵地帯でりんごが栽培されており,外部へ製造委託する形でジュース等の加工品生産も行われています。
 しかし,規格外果実の有効利用という側面が強く,果実の特徴を活かした商品の開発には十分な成果が上がっていませんでした。
 そこで,大崎農業改良普及センターでは生産者団体の加美郡りんご協議会と連携して,果実を原料とした農産加工の先進地である山形県内への視察研修を企画し,実行しました。
 当日は加美郡内のりんご園主とその家族ら16名が参加して,山形県大江村の果汁工房「果実の森スズキ」と,尾花沢市の有限会社「尾花沢農産加工」を見学しました。
  「果実の森スズキ」の経営主である鈴木茂氏からは,りんごや山ぶどうを原料とした加工品の製造販売に力を入れ,今では売上の過半を占めるに至った経緯を聞き,りんごの加工用品種「紅玉」のほ場などを見学しました。
 また,尾花沢農産加工では,第三セクター方式で設立した会社が成長して,漬物や果実の加工品で年商3億円以上を上げている様子や,商品開発の工夫や原料調達の方法について伺うとともに,同業大手との競合といった苦労についても話していただきました。
  普及センターでは,研修に参加した園主たちは2つの事例を見聞したことで,農産加工を柱にした経営に対する確かなイメージを持ったのではないかと評価しています。
  園主たちのなかには,宮城県で新たに育成したりんご加工用品種「サワールージュ」を導入している者がおり,今後の加工品開発に期待が集まります。
 普及センターでは今後とも,6次産業化に商品開発を目指し,農業生産の活性化を支援していきます。

<連絡先>
 宮城県大崎農業改良普及センター      先進技術班
 TEL:0229-91-0726 FAX:0229-23-0910


 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

水稲乾田直播現地検討会の開催

2011年10月21日 09時12分16秒 | 先進的技術に取り組む経営体の育成・支援

  大崎農業改良普及センターは平成23年9月1日に大崎市内の現地ほ場を会場にして,水稲乾田直播現地検討会を開催しました。
 平成23年度に宮城県内では約750haの水田直播が行われており,そのうち古川・加美地域では約190ha取り組まれています。乾田直播はそのうち約7%となっています。
  水田直播は主食用米のほか,米粉用・飼料用・バイオ燃料用米,WCS用稲の新規需要米や加工用米などでも導入が始まっています。
  特に,水稲の大規模農家や生産組織で受託や利用権設定の面積が増加する中,既存の水稲機械や大豆・麦等の機械が使える乾田直播は,コスト低減に有効な輪作体系技術として期待されています。
 
  当日は,宮城県古川農業試験場の星上席主任研究員より「2年3作体系における水稲乾田直播について」と題して,栽培試験データや経営分析の結果をテーマにお話していただきました。
 さらに,検討会会場である農事組合法人アグリ高倉代表より,取組経過や苦労された点を紹介していただきました。
  参加者は,現地ほ場を見て移植栽培と比較しても遜色ない生育に感心しており,低コスト技術の試験成果を学ぶことができ有意義な検討会となりました。しかし,参加者から回収したアンケートには「2~3年状況を見てから導入を検討したい」という意見が多く,周辺へ普及拡大するには,まだ,時間が必要であると感じました。
 当普及センターとしては,今後も水田乾田直播の普及に向けた支援を継続します。

宮城県大崎農業改良普及センター 先進技術班
TEL:0229(91)0726 FAX:0229(23)0910

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする